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戦うスイーツメイド★☆きな娘☆★  作者: きら
スイーツってしあわせ
4/5

きな娘のひみつ③

☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


 前回のつづきだよ!

 

河川敷で出会った石ころのお兄さん。

ちょっと怖かったけど、凄い人だったの!


☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


 遠くに投げた石ころが、河川敷の草むらに"着弾"した。

 

『ボンッ!』という爆発音と共に、モクモクと白煙のようなものが立ち上がり始めたのだ。


「うわっ! ごめんなさい! 大丈夫ですかー?」


 きな娘は慌てて石ころが落下した場所へ駆け寄った。

 

まさか爆発するなんて思ってもみなかったので、さすがにあの男の人が心配なのだ。


 そして、その煙が消える頃。

石ころの中にいた男の人が現れた。


普通の人間サイズで。


「うわっ! おっきくなっちゃった!」


 きな娘は、目をまんまるにしながら、耳が大きくなっちゃうマジシャンのように驚いた。


「ゲホッ……! 小娘……。 余を投げるなどいい度胸ではないか。 だが、お陰で外に出られた。 礼を言う」


 男はミニマムサイズで石の中にいた格好と変わらず、藍色の甚平を着ている。

間違いない。

さっき石ころの中に居た男だ。


「えっと……。 "外に出られた"って……ハマってたの? あの石の中に? でもなんで!? 小さかったのに!」


 きな娘は目の前で起きていることを必死に理解しようとしていた。

自分の常識ではあり得ない現象が目の前で起こったのだ。

親友の"天才下田"でもきっと理解出来ないだろう。


 だが、男は平然と答える。


「申し遅れたが、余の名は"石ころ太郎"。 石に宿る妖精だ。 余が石ころに宿る時、身体は小さくなるだが、時々宿る石ころにジャストフィットしてしまう事があってだな、さっきみたいに出られなくなってしまうのだ」


「……えっと、警察って何番だっけ?」

 きな娘はスマホを取り出して電話をかけようとする。


「おい待て小娘! 今何をしようとしている!?」

 それを見た石ころ太郎はやや早口で電話を阻止した。

 

「だって! お母さん言ってたもん! 『自分のこと"妖精"とか言う人には気をつけなさい』って」


「いや……、余は紛れもなく妖精なのに……。 まぁ、母君は間違ってはいないと思うが……」


 その時だった。

 

「待て小娘! 隠れろ!」


 突然、石ころ太郎に頭を押さえられたきな娘は、背の高い草の陰へ身を隠すようにしゃがみ込んだ。


「ななななんですか突然! 私に乱暴しようとしてるんですか!? やっぱ警察――」


「シッ! あれを見ろ小娘」


 真剣な顔で石ころ太郎が指をさす方を見ると、1台の軽トラックが河川敷に侵入してきた。

ガタンガタンと上下に揺られながら大きな石の上を通り、きな娘達の近くへやってきたのだ。

 

「こんな所に車?」


「懲りもせずまた来たのか」


「どういうこと?」


 2人はヒソヒソと話をしながら、身を隠した草の陰から軽トラックを見つめている。

 

「周りを見てみろ小娘」


 言われるがまま、周囲を見渡したきな娘はあることに気がついた。

 

「うわぁ……。 汚いね。 ゴミ……なのかな?」


 軽トラックが停車した周りには、様々な粗大ゴミやビニール袋などが転がっていたのだ。

きな娘の言葉を聞いて、石ころ太郎はひとつ頷いて語る。

 

「ここいら一体に散らかっているのは、いわゆる"不法投棄"というやつだ。 ヤツは定期的に、ここにゴミを捨てにくる」


「酷い……。 ゴミ捨て場じゃないのに」


 きな娘は目の前に広がる惨状に心が痛んだ。

当たり前のように、堂々と自然を穢してるその光景に。

 

「そうだ。 だが余はずっと見ていた。 あまりに堂々とやるものでな。 だからこの前、石ころの中から声をかけてやったのだ」


「びびってた?」


「それはもう……。 『ちっ』とか言って帰っていったぞ」


「それ、びびってないよね」


「小娘……。 少しキズついたぞ」


「あはは……。 ごめんごめん」


 少しだけ冗談を交えながら、2人は軽トラックの様子を監視している。

 

「もうよい。 だが……。 どうにかしたいものだな」


 そして、本当に困ったように、石ころ太郎は呟いた。


 すると、軽トラックから小太りの中年男性が降りてきた。

2人の存在には気がついていないようだ。

 

 「あ……」


 その時、きな娘は見てしまった。

小太りの男性が、軽トラックの荷台から降ろした粗大ゴミの一部を、河の中へ蹴り入れた様子を。


 そして、白い冷蔵庫のような塊が河の流れに乗り、どんぶらこ、どんぶらこと下流に向かっていく。


「……ひどい! なんて自分勝手なの!?」


 きな娘にはフツフツとした感情が湧いていた。

それと同時に不思議なことが起こる。


「ん……? 小娘!そのポケット!」


「ん?へ?」


 アホの子ような返事をしながら、きな娘は言われるがまま視線をブレザーに向けると……。

 

きゅぴーん!キラキラ!

 

 ブレザーの左側がピンク色の光で輝いているのだ。

 

 そして……。

 

キュポン!


 ピンク色に光る()()かが、ポケットから飛び出してきた。

そして、きな娘の前で浮いたまま静止する。


 「うわ! マカロン型のコンパクトが出てききた! なんで!?」


 手を伸ばしてコンパクトを掴んだきな娘は、まじまじとそれを観察している。

 

 一方、石ころ太郎は驚愕の表情を隠せずにいた。


「それは! 『甘味型化粧品容器』だと!」


「甘味が……え? 何?」


 国語の成績が悪いきな娘には、3文字以上漢字が並ぶと混乱してしまう。


「スイーツコンパクトだ!」


「最初からそう言ってよ! それで、これは何なの?」


 彼は和風に言うことしかできないのかと思っていたが、どうやら横文字もいけるようだ。

思わずきな娘もつっこまずにはいられなかった。

だが、石ころ太郎はきな娘の言葉など聞いてはいないようだ。

 

「そうか……。 まさか小娘がそうであったとはな」


「いやいや! 1人で納得してないで教えてよ!」


 きな娘はそろそろ、自分の思考能力の限界を迎えていた。


「小娘。 今、甘味を持っているか?」


「甘味? 飴玉ならあるよ!ていうか会話になってない!?」


 そして、きな娘は考えるのをやめた。

 

「よし。 それを今から食べろ」


「ええ!? なんで今?」

 

「いいから早く食べるんだ!」


 もう訳がわからない。

 

 「よくわからないけど……。 わかった!言う通りにしてみる」


パクッ!


 言われるがまま、きな娘は飴玉を口に入れた。

ほんのりと甘い、いちご味が口の中にジワァと広がった――その時。


 

キラキラキラキラ☆

 

きゅぴーん! ポン!

きゅぴーん! ポン!


「戦うスイーツメイド――きな娘! あなたの心の闇を耕します!」

(ええええええ!なにこれー)


 

 謎の光と、可愛らしい効果音に包まれて、いつの間にかメイド服を着ている。

それは、日曜日の朝8:30によく似合うような、愛と希望のファンタジー・コスチュームに似ていた。

 

 

☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


ほんと、展開が怒涛すぎて理解できなかったよね!


この後、私は不法投棄をしたおじさんと対峙することになります。

でも、私にできるのかな?


☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


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