きな娘のひみつ②
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そうそう!
なんで私が"戦うスイーツメイド"になっちゃったか、説明してなかったよね!
あれは、桜咲く季節のことでした。
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「今日から2年生かぁ……」
特に悩む必要も無いのだが、あっという間に過ぎてしまった1年に驚きながら、きな娘は川沿いの遊歩道を歩いていた。
中学に入ってから急に勉強は難しくなるし、制服は着心地悪いし、やりたくもない部活動に入らないといけないし。
小学生の頃はもっと自由だったのに、突然世界改変が起こってしまったのではと思ったくらいだ。
そんなきな娘の身に、本当に世界改変のような出来事が起こってしまう。
「……おい。 そこの小娘」
突然、どこかからイケボイスに"小娘"呼ばわりされたのだ。
「え? 今、どこかから声が……?」
きな娘はキョロキョロと辺りを見る。
しかし、周りには誰も居ない。
「こっちだこっち。 下を見ろ小娘」
続けざまに"小娘"呼ばわりされたきな娘は、ムッとして声の主に言われた通り足元を見た。
そこには"石ころ"が落ちていた。
灰色で、15センチくらいの楕円形の石ころだった。
「よーし。 いい子ちゃんだ。 そのまま余を拾い上げてひっくり返してくれ」
どうやら、声の主はこの"石ころ"のようだ。
「ひっ!? い……石が喋ってる……」
テンプレのようなやり取りをしながら、きな娘は恐る恐る石の指示に従った。
そして……、拾い上げた石をひっくり返した時、彼女は信じられないものを目にしてしまった。
「……え」
石の裏は空洞になっていて、その中にスッポリと収まった小さな人が居たのだ。
藍色の甚平を着たお兄さんが……。
「礼を言うぞ小娘」
いたって真面目にお礼をする石ころの男だが、きな娘の表情は恐怖でこわばっていた。
「いや……ふ……ふ……」
プルプルと震えながら石ころを見つめるきな娘に、石ころの男は問いかける。
「ん? どうした小娘?」
「不審者ーーーーーーーーーーーー!!!!」
シュッ!!
「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
きな娘は、自身の記録を大幅に更新する勢いで、石ころを遥か彼方へぶん投げた。
同時に、石ころの男の悲鳴も遠くに消えていく。
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すごーく衝撃的な出会いでビックリしちゃったんだけど、実は彼との出会いが"戦うスイーツメイド"になるきっかけだったんだ!
あの時は投げちゃってごめんね!
驚いちゃったから……つい……。
『"つい"で済むか小娘! だが、余も驚いたぞ。 まさか小娘が伝説のスイーツメイドの器だったとはな』
そうなの!
まさかこの後、自分が変身しちゃうなんて夢にも思わなかったな。
でも、この続きはまた今度ね!
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