きな娘のひみつ①
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私は"きな娘"。中学2年生。
本当の名前は『蕨 蜜子』って言うんだけど、友達から『きな粉っぽいね』って言われたことがきっかけで"きな娘"って呼ばれてるんだ!
今日は中間テストの返却日。
勉強が苦手な私には憂鬱な1日だよー。
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「次ー、わらびー」
黄色いボブカットで前髪にピンクのヘアピンを付けたきな娘は、大きな瞳を憂鬱そうに曇らせ、国語教師の元へ向かう。
「お前なぁ……もっと頑張れよ」
渡されたテストの点数は"42点"だった。
平均点は"76点"。
つまり、きな娘の成績は甘くないスイーツのように、残念な出来映えになっていた。
「うぅ……。 頑張って勉強したのになぁ」
きな娘は"42"の数字見つめながら、トボトボと自分の席へ戻っていく。
「んっふっふー! その顔は撃沈だね? きな娘さんや?」
きな娘に話しかけたのは、茶色に見える髪をサイドポニーでまとめている『下田 麻美』だ。
彼女は後ろの席に戻ってきたきな娘に向かって、長めの襟足をフワリとさせながら振り返った。
「はぁー。 ほんと、私っていっつもこう! 麻美ちゃんは?」
「マミは1問だけしくじっちゃったー!」
麻美はきな娘に答案用紙を見せるが、そこに書かれた数字は"98"だった。
「おー、さすが麻美ちゃんだねー」
きな娘は、微笑みながら小さく拍手をして親友を讃える。
麻美はきな娘と違って成績優秀な生徒なのだ。
普段は陽気でおバカっぽい振る舞いをしているが、何を隠そう、学年トップの成績である。
「満点を逃したのは国語だけだよー」
悔しそうに口を尖らす麻美だが、満点など夢のまた夢のきな娘にとって、それは未知の世界なのだ。
「麻美ちゃんはすごいなー。 どうやって勉強してるの?」
ゆえに、なぜ麻美がこんなに成績優秀なのか気になっている。
麻美は「ふむ」と人差し指を顎に当てて、一瞬だけ視線を上に向けた。
そして、ニコニコ笑顔をきな娘に向ける。
「マミはさー、勉強だと思ってないんだよね。 どっちかって言うと……ゲーム……だね」
「げーむ?」
きな娘はゆっくり首を傾げる。
「そそ! クイズゲームやる感覚! だってさ、授業でやったことしか出ないじゃん?」
「あはは……。 やっぱ凄いや麻美ちゃんは」
その"授業でやったとこ"がなかなか覚えられないきな娘にとって、それは理解できない世界だった。
きっと、頭の構造が根本的に違うのだろう。
苦笑いをしながら、頭の良い親友に少しだけ引いていた。
これが、普段のきな娘なのである。
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でも、そんな私にも"人には言えない秘密"があります。
それは、"スイーツを食べると戦うメイド戦士に変身"してしまうのです。
武器は鍬。
何故かわからないけど、初期装備がこれだったの。
ほんと謎だよね!
でも、この鍬は人体を傷つけない武器なんだ。
使い方はね……、えへへ。
ちょっと恥ずかしいから、その時が来たら見せてあげるね!
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作者が見た夢の話が原点です




