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この世界で一緒に。~おかしな奴等と異世界転移~  作者: シシロ
アルテシア領と『ジュエル持ち』
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第83話~第84話 幕間 普通と違和感

 全身の感覚が鈍るほどの痛みと、遠退いていく意識。

頭の回転すら鈍る中、確かに感じるのは恐怖と不安――――そして、僅かな温もり。

その小さい背中に身を預けながら――――やがて、視界は暗転した。





 ふ…と、女は目を覚ます。

なんだか頭が重い…そう思って額に手を当てれば、頭にはVRサポーター『Synchrotronシンクロトロン』が装着されていた。

どうやらゲームをしながら寝入っていたらしい。

 小さく欠伸をしながら時間を確認し、数時間も眠っていたのだと気付いた。

眠ってしまった事でゲームから強制的にログアウトしたのか、『Synchrotron』の電源も落ちてしまっているようだった。


「ん~……! 夕飯の準備しないと…」


 そう独り事を呟きながら立ち上がった時、何か大切な事を忘れている気がして、彼女はもう一度『Synchrotron』に目を向ける。


 ……少しの間、無言で考えに耽るものの、その答えは出ない。

何か夢でも見ていたか――――そう考えると、女はその場を離れた。





 その晩、再びゲームをしようと『Synchrotron』を起動し―――――流れたゲーム情報に目が留まる。

内容は『EW』運営から…ゲームにバグが発見された為、現在復旧作業中との事だった。


「昼間は平気だったのに…」


 とは言え、アップデートされた当日で接続も多かった。

それが負荷となり、何らかの障害が発生していると考えればよくある話とも思えた。


「――――……」


 ならば仕方ないと諦めようとして、なんだか違和感を感じた。

何…とは言えない。

ただただ、漠然と感じる違和感。


「何か……忘れてるような……」


 暫く『Synchrotron』を手にしたまま、女は考え込んでいた。

結局、その答えが何だったか思い出せないまま……なんとなく、温かい感触を感じた気がして、首を捻るのだった。




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