弱っちぃ
最近思うの
私は強くなったと思ってたけど
本当は弱いやつなんだなって
鬼から逃げて
また進もうと思って
歩き出して
ふと何かにぶつかると
あの鬼の出来事と
今の辛い出来事と
一気に襲ってくるの
今と過去に
追いかけられてる気がして
あぁ、まだ私は少しも
前に進めてなかったんじゃないかって
弱いままだったんだなって
気づいてしまった
弱っちぃな、お前
本当に弱っちぃ
ただの腰抜けだったんだな
人の顔色ばかり伺って
逃げることさえ
誰かの言葉に従っていた
あの頃と何も変わりはしない
”耐えれるなら耐えなさい
お前が我慢して上手くいくなら耐えなさい
あんただけが頼りなの
あんたがあの会社を辞めたら
私達はどうやって生きていくの”
あの時のあの言葉は
今でも頭に残っている
まるで解けない呪文のように
もっと耐えなきゃ
私はこの家の大黒柱なんだから
私が逃げたら生きていけないんだから
そう思って過ごした二年
暗闇の中の影にも黒い車にも
逃げながら過ごした二年
愛してない人とも付き合った二年
耐え続けた結果は最悪だった
もっと早く逃げ出していれば
もっと違う今があったんだろうか
今でも夢に見る
もう逃げ出していいですか
もう逃げてもいいですか
そうやって母の腕を揺すっていた
もう誰のことも
気にしなくていいのに
もう誰も困ったりしないのに
今でも私は
”逃げていいんだよ”
そのたった一言を
待ち望んでいる