あなた
私はもう人を愛せないと思っていた
人を愛するという感覚が
人より少しズレていると感じるから
可愛い女の子がするような
束縛、というものは出来ない
必要以上の着信履歴や
通知履歴が来ることが怖かった
また逆に自分がし過ぎると
自分が狂っていた頃の感覚に戻りそうで怖かった
世の中の言う可愛い束縛
という感覚以上を知りすぎている
通知や電話が来れば
必要以上に早く返さなければ
という感情に苛まれる
また嫉妬という感情は
恐ろしいものだと思っている
嫉妬がいつかは憎しみに
変わることを知っている
だから嫉妬は出来ない
したとしても表に出すことは出来なかった
必要以上の執着心を見せられると
怖くて息が出来なくなる
または吐いてしまう
その感覚を言葉にするのは難しい
恋愛映画のワンシーンでさえ
異常な執着だと感じて
トイレに駆け込んだことがある
その映画はもう怖くて見ることが出来ない
その感覚は本当に私の心次第なんだろう
愛は憎
そういう方程式が頭にできていた
だから私はもう人を
愛することは出来ないと思っていた
どうして今のあなたを好きになれたのか
それは今でも不思議で仕方ない
相性、というものが世の中にあるなら
本当にそれが良かったのかもしれない
話してれば楽しい
気を遣うこともあまりない
自分の本心を言える
笑ってるその人の声が好きだった
きっとあなたは心の距離感を
図ることが得意なのかもしれない
無理に踏み込むことも無かった
私がいいと言うまでLINEの交換さえしなかった
他の女の子には冗談めかして
少し過激なことを言っても私にはしなかった
そういうの得意じゃないでしょ?って
本当に不思議な人
だから私はあなたに過去を話した
お酒の力を借りながら
そうすれば少しくらい距離を置くかなって
こんな暗くて汚い女なら面倒くさいと思うだろうと
でもあなたは次の時も
普通に話してきたの
まるで何もなかったみたいに
それが一番大きかったかな
あなたを信頼した理由
あぁ、こんな私でも普通に
話してくれる人がいるんだなって
とても大きな存在になった瞬間だった
私はあなたと出会って
人生で一番素直な恋愛をしている
あなたに少し執着心を見せている
あなたの周りの女の人に嫉妬もした
それをあなたに言葉にもした
とても、とても
凄いことなんだけど
時々怖くなるの
これ以上はいけない
必死に自分にストップをかける私もいる
私はその人といつまでも笑っていたいから
今でもきっと試行錯誤しながら歩いてる