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 バ神崎のパーティーを倒すと同時に、俺は演習場にいたクラスメイト達からの卑怯者コールを盛大に浴びた。

 それはもう合唱祭かってくらいの盛大なものだった。

 オーディエンスの歓声を一身に受けるミュージシャンの気分だぜ。ほんとやんなっちゃうよ。


 その後は1人目のストーカーこと、脇役君に、何かただ者じゃない奴オーラを出しながら話をしてあげた。

 よくいるよね。物語序盤で、世界の秘密を知ってしまって1人別行動取る系のやつ。

 アレを意識してみたんだけど、結構決まったと思う。

 脇役君のリアクションが実力隠してる系主人公みたいでおもろかったわ。


「さて、問題は…………はぁ」


 問題は2人目のストーカーの方だねホント。

 訓練終了直後から気配を消して俺のことを監視してるし、俺に向けられた斥候とかを排除してくれるのはまあいいんだけどさ、武力で排除されるとその力が俺にあるみたいに思われるじゃん。

 マジでバカなのあいつ。


「おいこらくそ女。こそこそ隠れてもお前のデカパイが見えてんだよ」

 

 嘘です全く見えてません。


「ふふ、さすがだな大塚」


 何が流石なんか全く分かりません。 

 わかりたくもありません。


「んで、何のようなのさ」


 俺は少しだけ予定を切り上げて、“アレ”の捜索をしないといけない訳ですよ。 

 しかも明日までに。

 要するにね、時間がないんです。

 まあ探そうと思えば1時間もかからないからいいんだけどさ。


「先ほどの摸擬戦は見事だった。まさかお前が戦わずに私達が負けるとは思ってもみなかったぞ」


「いや、あんた勘違いしてるけどさ、俺が戦っても大して変わらないからな?俺はご存知の通り糞雑魚なわけだし」


「確かに君からは恩恵も加護も、力も感じないが、だからこそ面白いんだよ」


 うっわー何それ、めちゃくちゃ面倒な気に入られ方しちまったじゃん。


「そ、それにだ、勝ったら私に話があるというからな。少し待ってたんだ…………」


 あぁ、そういやそうだったわ。

 “会長のは”外してなかったから色々説明して足並みをそろえてもらっとこうと思ったんだった。


「会長…………あまり大きい声で言いたい事じゃないから、もう少し近くに行っていいか?」


「う、うん、まあ、そうだな。あまり大きな声で話すような事でもないしな」


 おお、さすがに会長は俺がどんな話をするのか気が付いてたみたいだな。 

 ここだけは褒めてやろう。


「それで、君は私に、その、何を話してくれるんだ?」


 あれ、なんか近すぎません?

 まあ別にいいんだけどさ。俺の個性は人の物には触れてないと使えないし。

 だけどそれにしても、鼻先が触れそうな距離まで近づかれるとですね?さすがに童貞の僕にゃちときついんすわ。


 奴隷紋があるであろう肩を触ると、会長の体が小さくだがビクリと跳ねる。 

 そうだろうね。いきなり知らない俺の個性を使われるんだからびっくりするよね。


「…………い、いつでも準備は出来てる…………だが、その、初めてだから、少し優しくしてくれると嬉しい…………」


「誰だって初めてはあるからね。だけど安心していいぞ。俺はかなり上手い方だからな。これでももう数えきれないくらいやってきてるわけだし」


「―――ッ!?そ、そうなのか…………て、てっきり私は…………き、君も初めてかと思ってたが…………」


「ハイ終わりー、もう離れていいぞー」


「は?」

「え?」


「「は?」」


 え、は?どういうこと?なんで会長はそんな顔してるのよ。

 ちゃんと奴隷紋の効果は切取ったし、俺のやることはもう終わったはずだけど。


「まて…………え?も、もう終わったというのか?いや、私がいくら初めてだからと言ってもさすがにこれでできるはずがないだろ。誤魔化す気か?」


「誤魔化すも何も、しっかりやったし、そんなに不安なら自分で確認すりゃいいじゃん」


「そっ、そんなにすぐに確認できるはずないだろ!そんなことも知らないのか!?」


「え、そうなの?すぐに分かんないの?なんで?」


「時間を置かないとその、しっかり結びついているか分からないじゃないか…………」


「いやいや、結びつくも何も、俺がしたのは逆だからな?結びついたものを解除しただけだから」


「逆っ!?どどどど、どういうことだ!?それで一体何が起こるんだ!?」


「一体何が起こるって、そりゃ、もう無理やり戦わされることがなくなったり、勇者の使命を強要されることもなくなるだろ」


「まあ確かに、安静にしていないといけないからな。戦いなどはもってのほかだろうが…………本当にできてるのか?」


「んだよ!ここまで信用しない奴初めてだわ!何なら今から俺が確かめてやろうか!?」


「はじめっ!?お、おおおおおまっお前他にもこんなことしたやつがいるというのか!?」


「そりゃまあ何人もいるだろ。坂下とかパーティーのやつとか、あとついさっき宮元にもしてきたわ」


「みみみみっみっみ…………宮本ォぉォォォおおおおおおおおッッッ!?!?!?!?」


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