表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/212

過去編って正直あんまり好きじゃない

 カリラを元に戻し、拠点であるランバージャックのビターバレーに戻った俺とカリラ、たまき、ミルズそして“チョコチ”。


 そろそろ本格的に当初の目的のために動き始めないといけないのだが、その前に骨休めは大事だろうという事で、案の定童亭に行き、カウンターに横並びで酒を飲み始めていた。


「ところで千器よ。貴様どうやって生き残ったのじゃ?」


「ところでババアよ。どうして呼んでもいねえ奴がナチュラルに会話に参加してやがるんだ?」


 再び俺に噛み付こうとしてきたので懐に手を突っ込んだんだが、それを見たババアは即座に座り直し、優雅にワイングラスに注がれたげろ甘いカクテルを喉に流し込んだ。


「ふふふ、我ほどになれば貴様の行動を見破るなど造作もないのじゃ」


「俺の事見失って、必死こいて犬みたいに穴掘りしてたらしいじゃん? そこんとこどーなの?」


「ぬぐっ!? あの小僧が要らぬことを言いおったのか!!! ………ま、まあ良いわ……それにしてもあの絶望的な状況でどうやって生き残ったんじゃ。その後の消息がつかめんかったことも気がかりじゃったし、ブックマークまで無効になってたのはさすがに肝を冷やしてしもうたぞ?」


「あぁ、ちょっと“星の記憶”にいってたからな。さすがのお前でもこの世界じゃないところまでは見えないだろ」


「おぉ! ユーリ殿、再びあの聖地に赴いたのであるか! ぜひ今夜はその話を聞かせてほしいのである!」


「いや~ほんっと大変だったっすよ………この人めちゃくちゃとか通り越してるっすから………」


 呆れたように肩を落としたたまきがそう言いながら、ジュースをストローで啜り始めた。


「いやはや、まさか件の千器様がここまでハチャメチャな御方とは………」


 今度はミルズがハンカチで額の汗を拭きながらそんなことを言い出したんだけど、周囲はミルズの事知らないから“いや誰だよお前”みたいな空気がビンビンに出てる。


「と言うかなんでテメエがここに居やがるんですか。ぶっ殺してやりましょうか?」


 カリラがそう言いながらミルズに掴みかかるけど、当の本人も罪の意識があるのか、すみませんすみませんと譫言のように言いながら頭を抱えるだけだった。


「まあ、そう言ったことも含めて全部説明するからさ、とりあえずこれでも食べなよ」


 そう言って俺が取り出したのは、いつぞやの余ったカレーをタッパーに詰めたもの。

 それを差し出してやれば、途端に真っ赤な顔になったカリラに顔面をめった刺しにされそうになった。


「………と、言う訳でまあこれから回想に入るわけだけど、皆さん準備はオッケー?」


「何わけわからねえこと言ってやがんですか。耳から手ぇ突っ込んで脳みそ引きずり出しちまいますよ」


「うちの子が可愛過ぎてバイオレンス過ぎる件について………ってなんかラノベっぽいね。まあいいや。そんじゃ回想いきますよっと」


 あれは一万年と二千年前のこ――――


「ぎゃぁっぁあ!!!! 先輩の顔面に無数のフォークが!!!!」


「真面目にやりやがれってんですよ」


「すいませんでした………まあ、あの場に残った俺達は神崎の開けた大穴から遺跡の支柱に爆弾仕掛けて、そのまま後から出てきた魔物は皆生き埋めにしたわけよ。総重量数百万トンってレベルの重量だしね、さすがに誰も生き残れませんよ」


「想像よりあっけない戦いじゃの………しかしそれでは貴様らも生き埋めになってしまったのではないのか?」


「既に召喚されてる奴の中に一匹やっばいのが混ざっててさ、討伐ランク118のやつで、こいつをどうにかしないとやばいってことになって、まあ苦渋の選択だったけど、星の記憶に飛んだってわけ。まあ最初からしっかりと話してやるから期待してな」



………。



◇ ◇ ◇


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] チョコチップの娘ってどうしたっけ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ