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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

絶対に働きたくないダンジョンマスター

だん☆ぼる ~学園ダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで~

作者: 鬼影スパナ


 俺の名前は増田桂馬。迷球(めいきゅう)高校ダンジョン科に通う高校生だ。年齢は16歳前後。


 早速だが俺は走っていた。すっかり寝坊してしまったからだ。時計の針が8時を指していた時は遅刻確定の現状に「Oh……」とついアメコミっぽくなってしまった。


「せっかく2年生になってから本格的にダンジョン学の授業が始まるってのに……やっちまったなぁ」


 そう、今日は初めてのダンジョン学の授業がある。将来ダンジョンマスターになってモンスターを働かせ、自身は悠々自適に寝て過ごすという野望を持った俺にとっては絶対に外せない授業であった。


 俺は誰も居ない正門を乗り越え、下駄箱で上履きに履き替え、2年のクラスに向かった。

 すでに授業は始まっている。やっべ、そういえばなんか大事な事を決めるとか言ってたような――


「すみません寝坊しましたァ!」


 ――俺が勢いよく教室のドアを開けると、なんかこう、2人ずつのペアが出来上がっていた。

 そして、教壇では白の女神と呼ばれる――黒ストッキングが良く似合う――ハク先生が、驚いた顔をしてこちらを見ていた。えーっと。なんかマズイことした? あ、遅刻したくせにうるさかったですかすみません。


「先生! えっと、彼とペアになるってことでいいですか?!」

「え、あ、その」

「よろしく! えーっと、何て名前だったかしら?」


 そしてハク先生と話していたであろう女子、金髪碧眼の美少女が、俺に話しかけてきた。


「……あー、その、増田桂馬だ。よろしく」

「ケーマね。私は695番よ」

「へぇ! 番号名! ヤミノカミの出身か」


 あ、ヤミノカミってのは多種族地域の名前だ。ドラゴンやユニコーンといった幻想的なやつ、リザードマンやリビングアーマーといったモンスターらしい奴、巨大な蛇やナメクジみたいな奴まで、様々な種族が生息している。

 で、特徴として名前が『番号』であることが多いのだ。


 まぁこいつは普通の人間に見えるけども、人化取得済みなのかな?


「でも番号だと呼びにくいからロクコさんって呼んでいいか?」

「ま、ニンゲンだと呼びにくいだろうしいいわよ。さんも要らないわ。よろしく」


 改めて握手をする俺とロクコ。


「で、これなんのペア? これから1対1で戦うペアとか?」

「え、いや、コア・マスターのペアよ。1年間の」

「……めっちゃ大事なペアじゃないか?」

「めっちゃ大事なペアね」


 ダンジョンには『コア』と『マスター』の2人が必要だ。厳密に言えばマスターは無くても良いのだが、あるに越したことはない。ダンジョンを展開する『コア』に、ダンジョンを動かす『マスター』。頑張ればダンジョンを展開しつつ動かすこともできるのだが、逆に言えばそれだけ無理があるということだ。大人しく2人でやるべきである。


 で、そのペアってなると……いわば相棒というやつになるわけで。

 そんな大事な決定の日に寝坊した俺も俺だが……


「えーっと、コア志望だったりする?」

「いやマスター志望だけど」

「よかった。私はコア志望なのよ」

「ヤミノカミ出身とペアが組めるとは運が良いなぁ」


 そしてヤミノカミの出身者は総じてコア適正値もマスター適正値もクソ高い。要するにダンジョン学科のエリートである。

 適正値については人族のコア:マスター平均数値が25:25と言われているのに対し、ヤミノカミ出身者は平均50:50。倍は違うというわけだ。

 俺? 俺は15:35でマスター寄り。マスターは人族平均より結構上だ。


 この適正値が高いと――まぁ、言ってしまえば『ダンジョン』から引き出せる力の上限とかが変わってくるのだ。


 あれ? でもそんなエリートなヤミノカミ出身者なら本来引く手数多(あまた)のはず。なんで最後まで残ってたんだ?



 ~次回予告~


 なぜかボッチだったロクコ。その理由はダンジョン実習で明らかになった!


「ロクコさんや、ちなみに適正値は?」

「……19:10(じゅうきゅうじゅう)よ」

「うん? 10:90(じゅうきゅうじゅう)? マスター向けじゃないか」

「……19:10よ! コア19、マスター10……うう」

「えっ」

「何度も言わせる気!?」

「……ヤミノカミ出身者だよね?」

「悪かったわね! 落ちこぼれで!」

「まぁ将来は過疎地方でご老人方を相手にのんびり日向ぼっこするようなダンジョンやれたら最高じゃね? とか考えてるし、別にお前が落ちこぼれだろうと問題は無いさ」

「……それはそれで腹立つわね!?」



 そしてロクコは、あのハク先生の妹であった!


「あなたのせいで私がロクコちゃんのパートナーになるという野望がパーじゃないですか?」

「いやそもそも偶数人になるようにクラス編成のときになってるんじゃ」

「黙りなさい! あなたが私の妹に相応しい相手か、見極めてあげましょう。ダンジョンバトルです。負けたら大人しくパートナーの座を譲りなさい」

「……先生! そしたら俺は一人で授業を受けることになりますが!?」


 果たして、ケーマ達の運命やいかに――!?



(続かない!)

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― 新着の感想 ―
[一言] 続け
[一言] 内村○良「ロクコよ、来月に続けよ。」
[良い点] エイプリルフール当日を逃しても、こんな面白い話を読ませていただけること。 ありがとうございます。 [気になる点] 続かないのが残念…!
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