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衝突1

 「ハッ」

 刀を横に薙ぎ、それによって、三体の偽天使が斬られた。

 シャロロの使っている刀は、勝也のつくったはじめの頃の作品だ。

 名を、《武蔵》という。


 武蔵(神話級)


 付与


 難懐 強靭(Lv10相当) 属性付与《雷、風、火》(Lv10相当) 魔法切断 所有者制限


 「フッ」

 刀、武蔵に炎を纏わせ、偽天使を、まるでバターを切るように斬っていく。

 「『アイススピア』」

 という無機質な声が、幾重にも辺りに響き、それと同時に、氷の槍が、シャロロに降り注いだ。

 他の前衛の偽天使達は、アイススピアなど知らん、と言わんばかりに突撃してくる。

 シャロロは、刀に纏わせている炎を、大きくして、降り注ぐ氷の槍と、襲い掛かってくる偽天使の上半身を、少し後ろに下がり、一緒に燃やし尽くした。

 シャロロは、刀を鞘にしまい、横にして少し後ろにひくと、一思いに振り抜いた。

 型無流剣術外伝『鬼』である。

 『鬼』で、一気に十数体を倒した。

 しかし、それでも偽天使は、仲間の死体を踏み越えて、シャロロに襲い掛かってくる。

 シャロロは、刀に、更に雷を足し、雷と炎の混じりあった斬撃を連射しながら、殲滅していった。

 しかし、全く数が減らない。

 なのでシャロロは、武蔵を亜空間庫にしまい、代わりに緋色の小太刀を二本取り出した。

 これは、五年前に、勝也が、手数重視でつくった一品だ。

 名を、《柳》という。


 柳(神造級)


 付与


 不破 脚力強化(Lv10相当) 腕力強化(Lv10相当) 纏い《雷》(Lv10相当) 視覚強化(Lv10相当) 思考力強化(Lv10相当) 所有者制限


 結構な壊れ武器である。

 柳を両腰に差し込むと、抜きざまに、逆手に持ち変えた。

 「ハァァァッ」

 全身に雷を纏わせ、残像すら残さず移動した。

 その速度、まさに神速。

 纏いとは、体に素の魔力、もしくは属性を持たせた魔力を纏わせ、身体能力を向上させるものだ。

 雷は、纏いの中でも上位に入る。

 理由は、風よりも俊敏性が上がり、炎並みに力が上がるからだ。

 シャロロは、纏いと、その他強化系統の付与を駆使し、先程よりも、早いペースで、偽天使を殲滅していった。

 「『リーラウリアシャウル』」

 「ッ!」

 そんなとき、数体の偽天使が、リーラウリアシャウルを放ってきた。

 シャロロは、柳の付与の、視覚強化と思考力強化を駆使して、全てをギリギリの所で避けた。

 その時、

 「キャッ」

 と、女の子らしい可愛い声と共に、せりだしていた木の根に足をとられて転んだ。

 そんな絶好のチャンスに、偽天使達は、まるでハエのようにシャロロに襲いかかった。

 襲いかかる凶刃に、シャロロはまた、視覚強化と思考力強化と更に腕力強化を使い、的確に捌いていった。

 「『フレアレイン』」

 その状況を、更に悪化させるように、追い討ちの魔法が降り注いだ。

 しかし、

 「『魔法反射結界』、『アースシールド』!」

 シャロロは、目の前に、七色に光る半透明の結界と、土で出来た、いかにも頑丈そうな壁をつくりだした。

 魔法反射結界は、読んで字のごとく。

 名前のまんま、ただ破られなかったらありとあらゆる魔法を反射する結界だ。

 アースシールドも、まさに読んで字のごとく。

 土の壁をつくりだす魔法だ。

 魔法反射結界にぶつかった、フレアレインは、ぶつかった瞬間に、放った偽天使に向けて跳ね返った。

 アースシールドにぶつかった武器は、ギシギシと音をたてて、粉砕した。

 シャロロは、この隙に、姿勢を建て直し、超高速で動いて偽天使を殲滅していった。

 シャロロが、偽天使を五千体程倒した頃、偽天使達に、若干変化が見られた。

 それは、シャロロを囲い始めたのだ。

 シャロロは、正面だけでなく、前後左右+上からの攻撃を捌かなくてはならなくなった。

 シャロロは、攻撃よりも、防御に時間をさくようになってきた。

 そんなとき、シャロロの足下の地面に、魔方陣が出現した。

 「ッ!」

 シャロロは、すかさず魔方陣を壊そうとするが、一歩遅かった。

 シャロロにかかる重力が増大した。

 足が、くるぶし辺りまで沈没した。

 シャロロを囲んでいた偽天使が、雨あられの如く、武器を振り下ろしてきた。

 シャロロは、それをなんとか捌きながら、一言ポツリと呟いた。

 「『パーシャウナレーレ』」

 と。

 とたんにシャロロの体から虹色の膜が段々と広がり、一体の偽天使に当たると、偽天使が跡形もなく消滅した。

 虹色の膜は、更に広がっていき、偽天使を次々と消滅させていった。

 パーシャウナレーレは、敵と定めた一定範囲内の生命体をできる限り消滅する。相手がほぼ互角、もしくは上だと効果は無い。

 「はぁはぁはぁ」

 シャロロは、膝に手をつき、荒い息をはいていた。

 「はぁはぁ………んっ」

 亜空間庫から、ポーションを取りだし、一息に飲み干した。

 失った魔力と、少し削れていた体力が回復した。

 この近くに居る偽天使は、消滅したが、少し遠くに居る、約半数の偽天使が残っている。

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