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宴会

 4

 「勝也がいない」

 私たちは、いまパーティーをしている。

 理由は、私たちを召喚した国が歓迎のために用意してくれたのだ。

 みんなが騒いでいる中、私はとても落ち込んでいた。

 あのあと城の中を探したけど、勝也は見つからなかった。

 多分もうこの街にすらいないと思う。

 私の勘がそういっている。

 そんな事を考えていると、

 「市原さん」

 同じクラスの男子が声をかけてきた。名前は知らない。

 「市原さん、そんな隅にいないでみんなで騒ごうよ。ほら」

 と言いながら手をつかもうとしてきた。

 「やめて!」

 私は大声をあげた。

 「ど、どうしたの市原さん。そんな大声をだして」

 「香苗、まだそれ治ってなかったのか?」

 「あ、(はじめ)。うん、実はそうなんだ。あれから全く治ってなくて」

 ビックリしてたじろく男子の後ろから幼馴染みの一が呆れながら歩いてきた。

 「勝也以外の男にさわられるとそうなる癖、早く治したほうがいいぞ?」

 「仕方ないじゃん、トラウマなんだから」

 と私はすねたように言った。

 一は、深いため息をついた。

 「じゃあ勝也と付き合えば良かったじゃねえか」

 一の一言で私の顔が真っ赤になったのがわかった。

 「は、一!な、なんて事言うのよ!私なんかが勝也と付き合えるわけ無いじゃん!」

 私が最後に本音を言うと、一は頭をがしがしとかきながら、

 「お前、もう少し自分に自信を持ったほうがいいぞ。お前、かわいいんだし」

 と言って一はどこかに行った。

 さっき、一が私のことかわいいって言った?ま、いっか。

 ----そういえば、もうあれから5年もたってるんだっけ?早いような遅いような。


 5年前、勝也の剣の訓練を一とながめて(たまに二対一で相手をしてもらって)3人で帰る途中、コンビニに立ち寄った。

 飲み物を持ってレジに向かおうとすると、コンビニに強盗が3人入って来た。

 それぞれの手には、改造銃を持っていた。

 そして強盗は、私を捕まえて、人質にした。

 その時にいろいろなところをさわられた。

 正直気持ち悪かった。

 ものすごく吐き気がした。

 そんなとき、強盗の前にいつの間にか勝也が立っていた。

 勝也はただ一言、

 「その汚い手で香苗にさわるんじゃねえ!」

 と言って、1人の強盗の腕を持っていた木刀で叩き斬った。

 切断面から血が吹き出した。

 吹き出た血で、床が、真っ赤に染まった。

 それに恐怖したのか、強盗たちは手に持っていた改造銃を勝也に向けて発砲した。

 それを勝也は木刀で全て叩き切り、強盗たちの腕や足も一緒に叩き折った。

 助かった私は勝也に抱きつかれた。

 そして、

 「香苗、ゴメン。もっと早く助けてあげれなくてゴメン。その間辛い思いをさして、ゴメン、ゴメン」

 と何度も何度も謝られた。

 そのあと店員に縛られた強盗たちは、無事、警察に引き渡された。

 警察は、手足が折れた強盗たちを見て、驚いて、顔をしかめて、パトカーにのせた。

 私はそれを、勝也の隣で微笑みながら見ていた。


 あの時、勝也に助けてもらってものすごく嬉しかったなー。

 まあ、あの時のせいで勝也以外の男に触られるのあの時みたいで嫌なんだよねー。

 まあ勝也以外の異性に触られるのは、誰であろうと、トラウマが治っても嫌なんだけどね。

 それと、小学生の少女の身体をさわってたけど、ロリコンだったのかな?あの盗賊達。

 そろそろパーティーに参加しようかな。

 さそいに来た男子が空気になりかけてるし、お腹すいてきたし。

 そして私は空気になりかけてる男子に声をかけ、食べ物を取りにお皿のところに歩いて行った。

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