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re:再来
「ふぅ」
勝也は、かいてもいない汗を拭う。
「化け物かよ」
ガルがぼやく。
「そんなことより、俺はさっさと行くぞ?じゃあな」
勝也はそそくさと歩いていこうとする。
「いや待て待て。どこにいくきだ?」
止めに来るガルを、勝也は不思議そうに見た。
「俺がここに来た理由は、大体気まぐれだ。用もなくなったし、そろそろ街に戻って依頼の達成報告をしたいんだが」
「わかった。だが一つ、いや二つ聞いてもいいか?」
勝也は黙って頷く。
「まず、さっきの化け物は何なんだ?」
「ああ、あれは偽天使という。強さは冒険者達の基準でいうところのSSSを少し越えた辺りだな。
偽天使は、いわば神の劣化ばんみたいなものだな」
「そうか」
ガルは押し黙った。
「あともう一つはなんだ?」
「ああ、それはだな」
ガルは、一回、大きく深呼吸をした。
「お前は何で魔物である俺たちを助けてくれた?」