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旅人

 勝也は家に帰った。

 そして、直ぐにお風呂に入った。

 そこで、これからの事について考えていた。

 (バーグ達はなんとかなりそうだな。初日であれだけ人が来たんだ、これからも繁盛していくだろ)

 勝也は、湯船に頭まで浸かり、一分ほどこぽこぽしていた。

 (………村の全員に、親父が死んだことを報告するか。シャロロにも会いたいし)

 「旅に出るか」

 ポツリと呟き、立ち上がり風呂場を出た。

 体を拭き、服を着ると、何もない空間から大きな袋を三つ取り出した。

 そして、紙を取りだし、使ってください、旅に出る、と書いて、ピンで止めた。

 それをリビングのテーブルの上に置いて、こっそりと、(転移で)街を出た。

 ガラーラの街の周辺は、ゴブリンやスライムなどの比較的弱い魔物が多い。

 ごく稀にオークが現れるくらいだ。

 ついでに、ゴブリンやスライムは、Fランク級の魔物で、オークはDランク級の魔物だ。

 もちろん、そんなものは勝也の敵ではない。

 その気になれば、寝ながら倒す事だって可能だ。(その場合、あまり疲れはとれない)

 歩き出して十分、スライムが現れた。

 スライムは勝也を見ると逃げ出した。

 スライムは、最弱と言われる魔物故に、逃げ足と、危機管理能力の二つにおいて、魔物の中でも最上位にあたる。

 そのため、討伐は、少々厄介なのである。

 スライムの討伐方法は、遠くから弓や魔法で倒すのが一般的だ。

 得物が弓以外で、魔法を使えない者は、集団で囲んでボコボコにする。

 たまに変な冒険者に、投石でスライムを狙い打ちする者もいる。

 正直な話、単なるアホである。

 まあ、実はそのアホの正体は勝也なのだが。

 閑話休題。

 勝也は、その逃げているスライムを見て、頭をがしがしとかいた。

 「『ファイアボール』」

 勝也の頭上に赤色の魔方陣が現れ、そこから炎の玉が放たれて、五百メートル程離れたところを逃げているスライムに当たった。

 スライムは、断末魔の叫びをあげながら蒸発していった。

 「魔法の威力の調整はイマイチだな。スピード、狙いは前より少し下がる程度か」

 先程の魔法は、威力、スピード、狙いの確認のために放ったのだ。

 そんな確認のために的にされて殺されたスライムが少し憐れである。

 勝也は、何度か手をとじたりひらいたりしてからポケットに両手を突っ込んで歩き出した。

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