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王女の強さ

  4

 そろそろパーティーも終わりかな?

 私、市原香苗は、思った。

 男子達は、相変わらずバカなのか、王女様の周りに群がっている。

 多分、王女様は好きな人がいる。

 あの顔は恋する乙女の顔だ。

 あのバカな男達では、揺らぎもしないだろう。

 まあ、それは私もなんだけどね。

 -----ああ、周りの男どもがうざい!

 そんなとき、ふと思った。

 あの王女様なら、何か知っているんじゃないかと。

 私は、すぐに王女様の所に向かった。

 「すみません、王女様」

 「はい、なんでしょうか?」

 「型無勝也という人を知っていますか?」

 すると、王女様が驚いた顔をした。

 「なんで、勝也様を知っているのですか?」

 勝也様?まあそれはいっか。

 「勝也は、この世界に来たことがあるんですね?」

 王女様の質問を、スルーして、質問した。

 すると、王女様は、涙を流しながら、微笑んだ。

 「この話しは、私の部屋でしましょうか。ついてきてください。貴女だけ」

 チャンスとばかりについて来ようとした男どもを、王女様はきっぱりと追い払った。

 王女様についていくと、普通の戸の前で、止まって、

 「これが私の部屋です」

 と言って、中に入った。

 私もつづいて中に入った。

 部屋の中も普通だった。

 木で出来た、椅子と机に、ベッドがひとつずつあるだけだった。

 「さて、勝也様の話しをしましょうか。それと私はサムルナでいいですよ」

 「わかったわサムルナ。私も香苗でいいよ」

 それから私と王女様は、日付が変わるまで、勝也について話し合った。


 「皆様、この後全員で全力でかかってきてください。皆様が私に勝ったら、願いを一つできることなら全て叶えましょう」

 あの後、自分の部屋に戻って寝た後、九時にメイドに起こされて全員で朝食を食べていると、突然王女様がそんな事を言い出した。

 勝てるわけ無い。

 昨日ステータスを見せてもらえたけど、レベル高いし、ステータス高いし、スキルすべてカンストして、さらに、ステータスすべて勝也が全部十倍してる人に勝てるわけ無い。これ当たり前。

 なのに、男どもはどんな妄想をしているのか丸わかり。気持ち悪。

 周りの女子がものすごく引いてる。

 あと、精神操作ってすごいよね。

 朝、噂好き女子からサムルナとなんの事を話したのか聞いてきたくらい。

 あ、今から闘技場いくみたい。

 一体全員で何分持つかな?

 五分ちょいで闘技場に着いた。

 広っ!!!

 大きさは、大体直径六百メートルくらい。リングが大体その半分かな?

 王女様は、なにもない空間から、ナイフを一本取り出した。

 空間魔法ってすごい便利だねー。

 そんな事を考えていると、メイド達が武器の入った箱を持ってきた。

 「皆様はその中から好きな武器を選んでください。安心してください、刃引きをしてますから」

 とサムルナが言ったとたん、男どもが武器に群がった。

 ぼーっと見てると剣や斧等が飛んできた。

 危なっ!

 とっさに避けたから近くにあった箱にぶつかった。

 箱があったことを知らなかったので、ビックリした。

 その箱に、いろいろな武器に混じって、刀が二本入っていた。なので、その刀を両方腰にさした。

 周りを見ると、全員が準備を終えていた。

 「準備が出来たのなら、全員かかってきてください」

 サムルナが言い終わる前にほぼすべての男子がサムルナに襲いかかった。

 しかし、サムルナは、一人一人の武器を避けながら破壊していった。

 事前にルールは言われていて、武器を破壊されたら負けというルールがあったので、男子が全員開始三十秒できえた。

 女子は連携するが、圧倒的な力の前にあっけなくやられた。

 「最後はあなたですね、香苗」

 「そうみたいね、サムルナ」

 私達は、一言言葉を交わすと、ほぼ同時に走り出した。

 (勝也、これつかわしてもらうよ)

 心の中でつぶやくと、居合い抜きを放った。

 「型無流剣術外伝『鬼』」

 「型無流剣術『追刀』」

 は?

 どういう事?

 私の刀は、あっけなく粉砕された。

 「香苗が『鬼』系統をしそうだったから、技には技をってね」

 サムルナはにっこりと笑うと、私に手をのばしてきた。

 私は、その手をとると、立ち上がった。

 私が砂を払っていると、サムルナが全員の方を向いて、ゆっくり語り出した。

 「皆様、私はこの世界でも上位ですが、最強ではありません。私でも傷一つつけられない人もいます。その人は、何度もこの街を救ってくれました。そして私がここまで強くなれたのもその人のおかげです。私のステータスを見ますか?みたい人は近くに来てください」

 サムルナがいうと、男子がものすごい勢いで走ってきて、サムルナを囲った。

 すると突然、何人かの男子が何かに弾かれたように後ろにとんだ。

 「いい忘れていましたが、私に変なことをしようとすると、先ほどのようになりますからきおつけてください」

 と、微笑んだ。

 何人かの男子が涙を流した。バカだ。

 「それと、これが私のステータスです」


 サムルナ=ボルターナ


 15歳


 ステータス


 Lv102


 スキル

 武術Lv10  身体能力強化Lv10  全属性魔法Lv10  空間魔法Lv10  全魔法耐性Lv10  物理耐性Lv10  魔力吸収Lv10  必要経験1/100  隠蔽Lv10  鑑定Lv10  念話Lv10



 「これくらいだと冒険者のランクはSSSくらいにはなります。まだ私はSSランクです」

 へーそうなんだ。

 「私の知り合いに元SSSの人がいますよ。まあその人は冒険者になって1ヶ月でSSSになって、三日でその地位を捨てたんですけどね」

 と笑った。

 絶体それ勝也だよね?

 「会ってみますか?」

 とサムルナが全員に聞いた。

 「呼んでください!」「会ってみたい!」「その人かっこいいですか?」「会ってぼこぼこにしてー!」

 等特に女子がうるさい。

 サムルナは、にっこりと笑うと、

 「では明日こられるか聞いてみますね」

 と言った。



サブタイトル勝也の力


 5

 「なあ、お前らはどんな仕事をしたい」

 あの後、もう一度風呂に入って、全員のいるリビングに入ると、いきなり聞いてみた。

 「ご主人様、それはどういう事でしょうか?」

 まあ普通そうなるよな。

 「お前らには、働いてもらう。嫌々働くよりも、自分達のやりたい仕事の方がいいだろ?まあ、収入の一割くらいはもらうけどな」

 その言葉に全員が驚いた。

 普通奴隷は商売をさせてもらえても、主にすべて持っていかれる。

 しかし、勝也は一割もらえればいいといった。

 もはやこの扱いは奴隷じゃ無い。

 ここにいる全員が思った。

 「じゃあ全員のやりたい仕事を聞いていくぞ」

 勝也は一人一人に何がしたいか聞いて回った。

 「商売をしたいのが四人、鍛冶屋が一人、あとは冒険者か」

 勝也は少し考えた後、

 「じゃあ、明日のお昼から、お店を買いにいこう。その後に、冒険者登録をして、何か一つ依頼を受けよう」

 と言った。

 「すみません、なぜお昼からなのでしょうか?」

 と誰かが聞くと、

 「なぜって、明日の朝城にこいってサムルナに言われたから」

 それを聞いて、勝也以外が固まった。

 たっぷり十秒固まってから、

 「サムルナって、もしかしてサムルナ王女殿下ですか?」

 おそるおそるナナが聞くと、

 「そうだけど?」

 と言うと、全員が気絶した。

 そこまで驚く?


 勝也は朝食を食べて、王都にとんだ。

 光を屈折させ、姿を見えなくすると、目元と口以外の右側を覆う鬼のお面と地味なローブを着て、城の食堂?に入った。窓から。

 光の屈折を解くと、

 「サムルナ、来てやったぞ」

 と言った。

 サムルナ以外全員がビクッ!となった。

 すると、サムルナがかけよってきた。

 「お久しぶりです、ボルタ様」

 ボルタはもちろん偽名だ。

 顔を隠すのに、本名を言ってどうする。

 「サムルナ、久しぶり、元気だったか?」

 と聞くと、満面の笑みで、

 「はい。もちろんです。ボルタ様もお元気でしたか?」

 「当たり前だろ」

 「朝食はお取りになられましたか?」

 「さっき食べてきた。そんなことまで世話になりたくないからな」

 「そうですか。残念です」

 そんなやり取りを、男子全員が怨めしそうな目で見ていた。

 女子は夫婦みたいと思った。

 「サムルナ、こいつらどうだった?」

 と聞くと、

 「市原香苗、山里一、この二人は鍛えれば何とかなります。しかし、それ以外の勇者様はだめです」

 「どれくらいだ?」

 「ボルタ様なら産まれた時でさえ勝てます」

 そのやり取りに腹をたてたのか、一人の男子が立ち上がり、

 「死ねくそが―!」

 と剣を振りかぶって走ってきた。

 それに加え、いくつかの魔法がとんできた。

 「雑魚は消えろ!」

 しかし、それらが勝也にとどくことはなかった。

 勝也にあたる前に、何かにあたって、消滅した。

 「私のご主人様に指一本触れさせない!」

 そういったのは、十センチくらいの女の子だった。

 「妖精?」

 と誰かがつぶやいた。

 「(ふう)、勝手に出てきたのか?」

 「当たり前じゃない!それと何で避けなかったのよ!あんなちんたらしたお遊び!」

 「避ける必要がどこにあった?」

 「確かにそうだけど!」

 この二人は、かなり失礼なことをいっていた。

 「風、大きくなるか?」

 「え?いいの!やった!」

 風がそう言うと、風の体が光だして、だんだんと大きくなった。

 光が消えると、そこには、身長百六十センチ前後の女性がいた。

 「はじめまして雑魚ども。風の大精霊の風です」

 ものすごくいい笑顔で毒をはいた。

 「風、さすがにそれは言い過ぎだろ。まあ、雑魚にかわりはないが」

 「あなたの方がひどいと思うけど?」

 「気のせいだろ」

 二人がそう話していると、大慌てでメイドが駆け込んできた。

 「お嬢様!早くおにげください!」

 メイドが言い終わるのとほぼ同時にチンピラのような見た目の男が首輪を付けた全身鎧騎士と一緒に入ってきた。

 「男は全員殺す、女は全員犯す!」

 と言って入ってきた。

 「皆さん、あの全身鎧の騎士はSSSランク級のモンスターです」

 とサムルナは平然と説明した。

 「そうだ、これはSSSランク級のモンスターだ。いけ!タイタン!男を全員殺せ!」

 と言うと、タイタンと呼ばれたモンスターは腰の剣を抜こうと手をかけて、勝也を見ると、動きが止まった。

 「どうしたタイタン!俺の命令に従え!」

 男が叫んでも、タイタンはピクリとも動かない。

 「我、型無勝也の名において命ず、スノー、その汚い首輪を引きちぎれ」

 勝也がそう言うと、タイタンが首輪を引きちぎった。

 「何でだ!どうして俺の言うことを聞かずに、あの仮面野郎の言うことを聞くんだ!答えろ、タイタン!」

 男がそう言うと、タイタンは男の方を向き、

 「あのお方は私の主だ。お前らのように寝込みを襲うクズとは違うんだ。後、私は女だ。タイタン等と言う男のような名前をつけるな。ついでに、私の名前はスノーだ」

 と言ってスノーは鎧をすべて消した。

 するとそこには雪のような白い肌にさらさらな銀髪を腰まで伸ばしたスレンダーな美女がいた。

 「きれい」

 誰かがそうつぶやいた。

 誰が言ったのかわからない。

 ただ、ここにいる全員(勝也、スノーを除く)が同じ事を思った。

 「スノー、新しい剣を作った。お前専用の剣だ。名前は吹雪。使ってみるか?」

 唐突に、勝也は一本の真っ白な剣をとり出した。

 誰もが息を飲んだ。

 ただの剣、それだけなのにここにいる誰もが息を飲んだ。

 それほどまでに美しかった。

 なんの装飾もされてない真っ白な剣。

 しかし、すべてが計算しつくされたような、芸術品のような剣だった。

 「主様、このような剣、私にはもったいありません。このような剣は主様のようなお方がお持ちになられるのが一番です」

 「作ろうと思えばこれよりすごいやつを作れるぞ?」

 『は?』

 全員の声が見事にそろった。

 「それはおいといて、こいつ殺すか」

 と勝也は、冷ややかな目で男を見た。

 「サムルナ、結界張ってくれ。久しぶりにあれつかうから」

 「わかりました。『結界』」

 二人でやり取りをして、香苗達の前に透明な壁ができた。

 「それじゃ、『ファイアボール』。百万使えば少しはましかな?」

 すると、勝也の手にのる大きさの火の玉ができて、男に向かって飛び出した。

 火の玉が男に当たると、爆発を起こした。

 その爆発で起きた爆風で結界にひびがはいった。

 炎が男を包み込んで、男を灰にした。

 「相変わらずものすごい威力ですね」

 サムルナは、何でもないような口調で感想を述べた。

 「そうか?たかが百万の魔力を使っただけなんだが」

 「普通は三千使えば倒れますよ?」

 香苗達は、それをポカーンと見ていた。

 すると、勝也の前にスノーが、ひざまずいた。

 「主様、もう一度テイムしてもらえないでしょうか?」

 すると、勝也が、右手を前にだし、そこに魔力が集まり出した。

 「汝、我を主と認めるか」

 「主様の仰せのままに」

 スノーが答えると、右手の魔力がスノーに吸い込まれた。

 「スノー、命令だ。俺を勝也と呼び、普通に話せ」

 「わかった。これでいい?勝也」

 勝也は手で丸を作った。

 「帰る」

 勝也が唐突に言った。

 すると、足下に魔方陣ができた。

 「スノー、いくぞ」

 「わかった」

 勝也に言われて、スノーが魔方陣にのった。

 「勝也、私もつれてって!」

 「勝也、俺もつれてけ!」

 と、香苗と一が言ったので、勝也が早くこいとジェスチャーをした。

 香苗と一が魔方陣にのると、

 「サムルナ、悪いけどこいつら連れていくぞ」

 と言った。

 すると、勝也達の姿が消えた。


 香苗と一は転移をして固まった。

 「ここが俺の家だ」

 勝也がそう言うと、奥からマナとナナが出てきた。

 「勝也、お帰り」

 「勝也さん、お帰りなさい」

 マナとナナを見た香苗が肩をつかんできた。

 「どういう事?勝也。何で家に女の人がいるの?」

 顔は笑っていたが、目は全く笑ってなかった。

 このあと、三十分くらい説明して、わかってもらった。

 女怖い。



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