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義妹は、私だけを見ていた。―妹に愛されすぎた女の話―  作者: 桐原悠真
第一章 ヒマワリの視線

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第9話 ヒマワリの同調

次の日。

ヒマワリが、テーブルの上で揺れていた。

カスミソウが、その横で静かに揺れている。


「……きれい」


そう呟いて、美咲は少しだけ笑った。


昨日のことを、思い出す。


あの店。


あの手。


「……何を考えてるのかしら」


ふふ。


次は、陽菜ね。


陽菜は会社の帰り道にあの花屋に向かった。


カランカラン


「いらっしゃいませ」


「すみません。ヒマワリください」


「はい。少々お待ちください」


湊はヒマワリを手に取った。


美咲のことを思い出していた。


美咲さん、どうしてるだろう。


「一本ですか?」


「はい」

「鈴蘭と一緒にいけたいんです」


「鈴蘭も、かわいいですよね」

「ヒマワリと鈴蘭、合うと思います」


「相沢さんっていうんですね」


「はい、相沢湊って言います。よろしくお願いします」


「一ノ瀬陽菜です。よろしくね」


知ってる。


――ずっと前から。


少しだけ、笑った。


「姉がここのヒマワリ綺麗だって言ってたから」


「一ノ瀬……もしかして、美咲さんですか?」


「はい。」


「喜んでくれてたんだ。嬉しいな」


湊は本当に嬉しそうな顔をした。


「お姉さん、素敵な人ですね」


「あ……ヒマワリ包みますね」


慣れた手つきでヒマワリを包んでいた。


「どうぞ」


ヒマワリを渡したときに手が触れた。


そして、お会計をした。


「ありがとうございます」


「ありがとう」


ヒマワリみたいに、まっすぐな人だった。


陽菜は家に戻った。


帰り道に花屋で買ったヒマワリを、

鈴蘭の隣にいける。


風に揺れる。


ふふ。


「ヒマワリ、かわいい。」


少しだけ、見つめる。


「お揃いね。」


「ヒマワリと鈴蘭。一緒ね。」


少しだけ、間があく。


「明日は楽しみ。」


「美咲に会う日。」


「何着ていこうかな。」


「やっぱり、あれね。」


「お揃いがいいわ。」


「全部、同じがいいもの」


「お兄ちゃんもお揃いにしなきゃ」


「早く……一緒に」


ふふ。


――その頃。

美咲の家では。


「ただいま」


「お帰りなさい」


「明日、陽菜来るよな」


「ええ。いつも通り」


「そう思って、帰りにこれ買ってきた。」


「三人で食べよう」


「あと、どうせあいつのことだから、お揃いの服着てくるぞ」


「きっとそうね。お揃い好きだもの」


「あいつ何であんなにお揃い好きなんだ?女ってそうなのか?」


少しだけ、間があいた。


「……陽菜だからね」


小さく、笑った。


「俺さ、小さいときからずっとあいつといるわけじゃないから、そういうのわからないんだよ」

「ほら、高校にあがるときにできた妹だしな」


「そうだったね」


「俺の場合、ずっと制服のある学校だったし」


「でも、リンクコーデする子はいたから、そんな感じなのかもね」


美咲は、何でもないことのように笑った。


「それと、美咲。最近楽しそうだな。」


「そう?」


美咲はご飯の準備をしていた。


皿に料理を盛り付けている。


「いいことでもあった?」


「特には。」


「そういえば……カスミソウ増えたな」


少しだけ、間があく。


「……かわいいな」


「なあ、美咲。」


直哉は後ろから抱き寄せた。


「料理を盛り付けてるんだから」


「わかったよ。後でな」


少しだけ、手を離す。


それでも――

引っかかっていた。


花屋で見た男は、まっすぐだったから。


俺は、美咲を手放せない。


ただ――

明日は、陽菜が来る。


俺は、今までも美咲の周りにつく男は排除してきた。


知ってる。


高校の時だって、そうだったから。


結婚してからも、何人かは寄ってきた。


その度に、俺は隣にい続けた。


ただ――


今回の男は、まっすぐなんだ。


少し、面倒くさいな。


それと。


美咲は普通だったのに……


最近、何かが違ってる気がして。


俺も――

離れられなくなってきた。


ちょうどいいって、思ってたのに。


何なんだ、これは。


……でも、

悪くない気がした。


俺達はご飯を食べ終えた。


「なあ、美咲。今日は甘いの食べないか?」


「デザート?」


「食べる」


「……こっちは、二人で食べようと思ってたんだ」


少しだけ、間があく。


「二人だけの特別だ」


「三人で食べるやつじゃないの?」


「二つ買ってきた」


「俺たちのと、三人のは別」


「美咲、甘いの好きだろう?」


「うん」


俺達は――


甘い時間を味わった。

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