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義妹は、私だけを見ていた。―妹に愛されすぎた女の話―  作者: 桐原悠真


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第4話 ヒマワリの影

美咲に、週末行くって連絡した。


週末が楽しみ。

行かないとね。


美咲はかわいいから、私がいないと駄目。


それと、お兄ちゃん。

早く電球替えに来てくれないかしら。


私はスマホを見て、小さく笑った。


きっと、またヒマワリを飾っているはず。

美咲は、花が好きだから。


……でも。

ヒマワリって、ずっと太陽を見てる花よね。


私は少し考えた。


美咲は、誰を見ているのかしら。


ふふ。


それと、あの花屋の新人って――

あの男の子よね。


私は花屋の前を通った。


店の中をちらりと見る。


美咲が好きそう。


どうしようかな。

面白い。


でも。

美咲は、あなたのものじゃないの。


――相沢湊くん。


私は小さく笑った。


ヒマワリが店先で揺れていた。


お兄ちゃんにも連絡しよう。


陽菜

『お兄ちゃん、電球かえにきてー。』


送信。


しばらくして返信があった。


直哉

『明日でいい?会社終わってから。』


陽菜

『やったー。ありがとう。会社終わったら連絡ちょうだい。』


直哉

『了解。』


よし。

これで完了。


ふふふ。


楽しみ。


クッキー、買いに行こう。

お兄ちゃん甘いもの好きだし。


私は小さく笑った。


明日が楽しみ。


「美咲、明日だけど陽菜の家の電球替えに行くから遅くなる。」


「わかった。」

「でも、あまり遅くならないでね。」


「わかったよ。」


陽菜と二人きりか。

久しぶりだな。

ずっと三人だから。


いつも俺たちは三人だ。

……さすがにおかしいことは気づいている。


毎週末、陽菜が来る。


わかってる。

でも、止められない。


直哉は小さく息を吐いた。


やっぱり、俺は――。

明日が、楽しみだ。


その頃、陽菜は家でスマホを置いた。


「こんな感じでいいよね。」


テーブルの上を見て、小さく整える。


「お兄ちゃん、こういうの好きだし。」


ふふ。

楽しみだな。


お兄ちゃんと二人。

久しぶりかもしれない。


いつも三人だから。


私と、お兄ちゃんと――美咲。


美咲はかわいい。

綺麗で、優しくて。

だから、みんな好きになる。


……でも。


私は小さく笑った。


美咲は、私のもの。


そういえば、あのヒマワリ。

明るくて、綺麗だった。


……美咲みたい。


だから、好き。


私たち、服だってお揃いにしてる。

アクセサリーも。


だって、美咲と一緒って幸せ。


私の美咲って感じだし。


かわいい。


美咲みたいになれる?

ならなくてもいいの。

ただ――美咲と一緒になりたい。


美咲……

大好き。


この部屋でも、美咲と一緒のものに囲まれたい。


美咲と一緒っていい。

最高。


美咲、ずっと一緒にいて。


私は部屋を見回した。


服も、アクセサリーも、同じもの。


そして――

部屋には、美咲と二人で撮った写真が並べてあった。

私はその写真を見て、小さく笑った。


私は一枚の写真を手に取った。


美咲と二人で撮った写真。


旅行に行ったときの。

ヒマワリ畑の前で撮った写真だ。


美咲は笑っている。

明るくて、綺麗で。

やっぱり、美咲はヒマワリみたい。


私は指でそっと写真をなぞった。


美咲の顔。

柔らかい笑顔。


かわいい。


「美咲。」


小さく名前を呼んでみる。


誰もいない部屋に、声だけが残った。


私は少し笑った。


この部屋には、美咲がたくさんいる。

写真も。

お揃いの服も。

アクセサリーも。


全部、美咲と一緒。


だから寂しくない。


私は写真を元の場所に戻した。


そして、もう一度部屋を見回す。


ふふ。

やっぱり、いい。


美咲に囲まれているみたい。


服も。

アクセサリーも。

バッグも。

美咲と同じもの。


お揃い。


美咲はいつも笑って言う。


「陽菜、また同じの買ったの?」


ふふ。

だって、かわいいんだもん。


美咲が選んだものは、全部かわいい。


だから、同じにしたい。


同じがいい。


私はクローゼットを少し開けた。

美咲と一緒に買った服。

美咲とお揃いのワンピース。

週末、着ていこうかな。


美咲、きっと笑う。

「またお揃い?」

って。


ふふ。


それがいいの。


でも、お兄ちゃんには見せてあげない。

だって、勿体ないんだもん。

私だけの美咲でいてほしいし。

お兄ちゃんには秘密。


私は小さく笑った。


そして――

お兄ちゃんも、一緒。


ふふふ。


最高。


ああ、明日が待ち遠しい。


そして――週末も。


待っててね。


美咲。

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