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第2章 宇宙の収斂(しゅうれん)

「それぞれの魔力を、それぞれの魔法完全体の中に入れるんだ。入れ終わったら、最後の4人全員での神の力を一つに集めるんだ」

スタディン神が、それぞれに指示を出す。


数時間後、無事に、宝玉は出来上がった。

「この設置は自分がしておこう。君達には、これを預けておく」

スタディン神はクシャトル神に合図して、金属球を出させた。

「これはなんですか?」

「本人に語らせるのが一番だろう。ルコーニア、出て来てくれないか」

白い亡霊みたいなものが、金属球の上、5cmぐらいのところを浮かんでいた。

「私を呼んだ?」

「ああ、この宇宙以外の宇宙空間に、ホムンクルス神の息子が逃げ込んだ可能性がある。彼らと一緒にそいつを探して欲しい。大丈夫か?」

「多分ね」

「じゃあ、後は頼んだ」

スタディン神とクシャトル神は、そのまま姿を消した。残された人達は、とりあえず自己紹介をしていた。


「じゃあ、君は昔の宇宙にいたファイガン・ネビスって言う人の、専属AIだったんだね?」

雪野が言った。

「そう言う事よ。でも、その彼も死んでしまった後だし、誰もいなかったの。私を開発してくれた人は、ネビスが死ぬ遥か前に死んでいるから、もう、魂の循環によって、散々記憶が重なっているでしょう。前世の記憶すら残らないんだからね」

「結局、彼はなくなっているんだから、誰の物でもないんだな?」

「そう言う事ね」

「じゃあ、新しく誰かの専属になるかを、君自身が決めればいいんだ」

「え?私が、決めるの?」

「そうだよ。誰の下で働きたいか、君が決めるんだ」

「……私ね、みんなと一緒になって働きたい」

「僕達と?」

「そう、雪野雄一、平水智弘、加賀彩夏、宮崎幸琥。この4人と、一緒に働きたい」

それから、ルコーニアは一拍おいてから言った。

「それと、スタディン神、クシャトル神、マギウス神ともね」

「それは、うれしい話だな」

ふと、玄関の方向を見ると、スタディン神とクシャトル神とマギウス神が立っていた。

「お帰りでしたか」

ユキノ神が言った。

「ああ、そうだ。それで、ムカメイグルは見つかったか?」

「ホムンクルス神と類似した魔力なら感知したと言っています」

「だったら、その神を探さないとな。おそらく、彼がムカメイグルその人だろう。で、彼は、どこにいるんだ?」

「謎のエネルギー集合体の付近で何か探しているようです」

「…もしや、ホムンクルス神の残骸を…?」

「神が神を喰うと言う禁忌を、彼も犯そうとしているのか?」

「する可能性が、非常に高いだろうな。だからこそ、この状況で止めなければならない。この宇宙の収斂は止まった。安全宣言を出した後に、宇宙外へ出発する」

「了解!」

一行は、ぬくぬくのコタツを抜け出して立ち上がり、ワマラ社本社の建物へ向かった。


「我々は、本日、宇宙の収斂を止めたことによる安全宣言を発表する。他宗教が為し得なかった、宇宙の拡大と縮小を自由に操ることが立証されたので、我々は真実なる神であると宣言する事が出来たと思う。本日からは、いかなる場合においても、これ以上、宇宙の大きさが一定であり、大きさが変わらないと言う事により、これ以上、何も焦る必要性がないと言うことを発表します」

雪野が言った。この安全宣言は、人類統合会社側から見れば、元々膨張をしていた宇宙が逆向きに縮小を始めただけだとする意見であり、科学的な見地から言えば、この宇宙の大きさを止める行為自体が、人ではない事をあらわしており、実際に、宇宙の端からの光が、赤方偏移していたのが止まった事が、観測されていた。その事からも、ワマラ社の4人の創業者は、人ではなく、神であると言う事が、実際に証明された事になると、彼らは言った。


「と言う事で、とりあえず、オメトルの跡地には来てみたものの、誰もいないな」

「結局、ムカメイグルの感覚は、ルコーニアの間違いだったか…」

ふと、ユキノ神が、何かに気付いた。

「いや、そうでもなさそうですね。このエネルギーの軌跡をたどれば、きっと、ムカメイグルにたどり着けるんじゃないでしょうか」

ユキノ神が指差した方向には、あきらかに、エネルギーの乱雑な跡があった。その跡は、この虚数空間を通る時に必ずつく物であり、どのような事をしても消す事が出来ないものだった。

「だとすると、この跡は、どこまで続いているんだろう…」

「行けば分かるさ」

一行は、この跡をたどって行き、そして、何かを作っているムカメイグルを見つけた。

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