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第肆話 【クラスメイト】

 朝、目が覚めると寝ていた横に携帯が落ちている。

 眠い目をゆっくり開けて携帯の時間を見る。

 まだ早いかな〜〜……?

 そんな事は全く無く、遅刻寸前……。


「うそおおお!!」


 私は飛び起き、急いで支度をする。

 昨日、お婆ちゃんの指輪をベッドで眺めていて、なかなか眠れなかったからな……。

 髪を梳かして制服に着替える。

 朝食は……、ああもう! そんな場合じゃ無いって!

 私は鞄を持って玄関まで急ぐと、スーツに身を包んだ赤井さんと出会う。


「おや? おはようございます。 智子さん今日は遅いですね?」

「おはようございます! すいません! 急がないと遅刻寸前なんです!」

「おやおや、それは困りましたね。 …………では、私が送りますよ」

「えっ!? で、でも赤井さんもお仕事じゃ……?」

「私はまだ時間ありますので」


 そして赤井さんに連れられ、飯綱荘から少し歩いた場所の駐車場まで案内された。


「さ、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」


 赤井さんは車の助手席のドアを開けてくれ、申し訳なく助手席に座る。


「智子さんの学校は確か、(はく)と同じ尾咲き高校でしたよね?」

「はい、そうです」

「わかりました。 では出発しますね」


 赤井さんとは昨日の事もあって少し意識しちゃう……こんなカッコいい人に車で送ってもらうなんて……あ、でも先生とかにバレないようにしないと!


「赤井さん、すいませんが、学校の少し手前で下ろしてくれませんか? 先生に見つかると怒られてしまいそうなので……」

「そうですね……、わかりました。 それでは少し前で車を停めますね」

「お願いします」


 赤井さんは学校の手前で車を停めると、私を下ろしてくれた。


「今日はありがとうございます。 これなら間に合いそうです」

「それは良かった。 私も朝のドライブ楽しかったですよ。 それではお気をつけて」

「は、はいっ!」


 赤井さんは車の窓を閉めると行ってしまった。


「あーー! 車で登校してるーー!! いっけないんだーー!!」


 やばっ! 見つかった!


「な〜んて、ね。 トモモおはよ〜」


 振り向けば同じクラスで一番仲の良い【深馬 奏(ふきしば かなで)】だ。


「お、おはよう……」

「…………ねえトモモ、今の人だあれぇ〜?」


 奏は肩に腕を回してくると、ニヤッとした顔で私の顔を覗いてくる。


「い、今のは……、同じアパートに住んでいる人! 遅刻しそうだったから送ってもらっただけだよ」

「ふ〜ん……、あんなイケメンの年上の人が一つ屋根の下なんて……、うらやま〜〜」

「そ、そんな事は……」

「……ちょっとはあるでしょ?」

「……ま、まあ……」

「いいなあ〜、今度紹介してね」


 困ったなあ……、赤井さんが普通の人なら紹介しても良いんだけど……。


「あ! 早く行かないと遅刻しちゃうよ!」


 私は奏の手を引いて学校に急ぐ。


「そんなに引っ張らないでよ〜。 朝から疲れる〜」


 チャイムが鳴ると同時に教室へ滑り込み、セーフ!

 先生が入って来る前に席につけた。

 さてと、一眼目は…………、あれ? 教科書が……無い!

 しまったー! 鞄に入れ忘れちゃったー! どうしよう……。

 他のクラスに借りに行く時間も無いし、そもそも他のクラスに知り合いなんていないし……。

 私がテンパってあたふたしていると、(はく)君が席を立って近づいて来た。


「ほらよ」


 机にパサっと無造作に置かれたのは、一眼目の授業で使う教科書。


「え? え?」

「……貸してやる……」


 それだけ言って席に戻った。

 え? でも(はく)君も教科書無いと困るよね?

 なんで、私に?

 (はく)君を見ると、肘をついてアクビをしながら外を眺めている。

 すると、隣の女子【前田 梨香子(まえだ りかこ)】ちゃんが教科書一緒に見ようと席をくっつけていた。


「……サンキュ……」


 (はく)君がお礼を言うと梨香子は嬉しそう。

 そうだよね、(はく)君はクラスだけじゃ無く、他のクラスや上の学年の女子からも人気がある。

 梨香子はクラスの女子から羨ましがられているが……、あれ? 私もなんか睨まれてない?

 一眼目の授業も終わり、教科書を(はく)君に返した。


「もう、忘れんじゃねえぞ」


 返した教科書で頭をポンっと叩かれ、また席に戻って行った。

 そして女子に囲まれる。

 本当にモテるんだな〜……。


「ねえ、トモモ」


 奏が話しかけて来る。


「なに?」

「トモモは(はく)君とどう言う関係なの? 朝もイケメンに送ってもらってたし」

「べ、別に(はく)君とはただの友達だよ」

「ほんと〜?」

「ほんと、ほんと!」

「じゃ、そう言う事にしておきますか。 でも、(はく)君人気だから気になるなら早めにね〜」

「だから、そんなんじゃないってば!」


 奏はクスクス笑いながら次の授業が始まるまでたわいもない無駄話をする。

 その後の授業は滞りなく進み、今日の学校もこれにて終了だ。

 (はく)君は運動が得意なようで、良く色々な部活から誘われている。

 本人はやる気が無く、全て断っているようだ。


 女子達からお誘いがあっても良いものだけど、実は既に(はく)君にはファンクラブ的なものが出来ているらしく、一定の距離を取ることが決まっているみたい。

 私はそのクラブに入っていないから関係無いけどね……でも今日は私が【笠島 美玖(かさじま みく)】にお誘いを受けてしまった。


「間宮さん、ちょっといいかしら?」

笠島(かさじま)さん、なにかよう?」

「そうね、(はく)君のことで聞きたい事があるの」


 笠島(かさじま)さんと【馬渕(まぶち)あかね】さんと【三上(みかみ)ふみえ】さんに連れられ校舎裏へ。

 早く帰って買い物行きたかったのになあ……。


「間宮さんは(はく)君とは親しいの?」

「そうでもないよ。 ただの友達」

「ならなんで教科書を貸してくれたの?」

「さあ? それはわからないな」

「ふ〜ん……、間宮さんが(はく)君の事を何にも想っていないならいいの。 時間とらせちゃったわね。 ごめんなさい」

「ううん、気にしないで。 それじゃ私は帰るわね。 また明日」

「ええ、さようなら」


 特に何も無く終わったが、笠島(かさじま)さん達、(はく)君の事好きだもんね……、帰ったら(はく)君に今日みたいな事は控えてもらえるように言っておこう。

 学校に来る時は車で送ってもらったせいか、帰り道は長く感じながら飯綱荘まで帰るのだった……。

 読んで頂きありがとうございます。

 不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。


 

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