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第拾肆話 【学校の怪】

「さて、と……」


 白君は誰も残っていない学校の門を飛び越え、校庭に出て妖気を探る。


「待ってよ〜白君〜!」

「ったく……なんで着いてきた!?」

「だって通ってる学校だし気になるじゃない」

「……しょうがねぇな……離れるなよ」

「う、うん……」


 白君は私を抱えて門を軽々超えて校庭を軽く見ると校舎の方に何か感じたのか、私の手を引き校舎に向かった。


「この中だな……」

「ここって……?」


 そこには()()無いはずのクラスがある……しかもこのクラスだけ木造となっていた。


「さあな……入ってみるぞ」

「う、うん……」


 中は古い古い木造で、机も椅子も黒板も古い物で出来ていて、夕暮れの窓際には体操服の女の子が立っている。


「は……白君……誰かいるよ……」

「ああ……」


 白君はその子に近づいて行くと肩にそっと手を置いた。


「……一緒に走るか?」


 その顔が暗く見えない子はコクンと頷き、パッと消えると運動場に現れた。

 このクラスの窓から見える運動場は私の学校の運動場じゃ無い……かなり古く見えるけど……?

 白君はここで待てと私に言って窓から飛び降りて出て行く。


「ちょっ! ここ三階……あれ? ……ここ三階だったはずだよね? それに夜だったのに……」


 窓から見える景色はどう見ても夕暮れ時の一階の景色。

 思わず窓から身を乗り出すと……。


「わっ! わっ!」


 掴んでいた窓枠が外れてズデ〜ンと転がり落ちてお尻を打ってしまった。


「イタタタ……、……でもやっぱり見た事ない校舎」


 三階では無くて助かったが、校舎全体が木造で二階までしか無く中心には大きな時計が時を刻んでいる。

 白君は女の子と校庭を走っていた時、校舎の時計に黒い影が現れた。

 黒い影が手を掲げると時計の針が勢い良く回り、夕方だった空は暗くなり夜へと変わっていく。

 すると白君と楽しそうに走っていた子が突然立ち止まり、頭を抱えて苦しみ出した。


「ああああああああーー!!」

「おい! しっかりしろ!」


 白君の言葉も聞こえていないようで、近寄った白君を突き飛ばして私のいる校舎まで走り出した。


「くっ……おい! 教室から出ろ! 急げ!」

「え……! う、うん!」


 私は窓枠をよじ登っていると、私の元に走って来たその子が教室に入ると突然ウーウーとサイレンが鳴り響き、その子が突然机の下に隠れ震え出した。


「あ、開かない!」


 教室の扉が開かない!

 白君が教室に入って来た時、突然教室全体が炎に包まれた。


「白君!」

「頭を低くして机の下にいろ!」


 白君も扉を開けようとしているが扉が開かず拳で殴ったり体当たりもしているが、やはり開かない。

 教室内に煙も充満してきてハンカチで口を押さえて体を低くする。

 教室の天井がバキバキと音を立てて崩れ始め、私が身を低くしている机の上に柱が落ちて来ると凄い音が鳴り響くが私がいる机は無事だった。

 そっと机から顔を出すと白君が崩れて来ていた柱から私を守ってくれていた。

 柱をどかす白君の両腕は火傷を負っている。


「白君腕が!」

「大丈夫だ! それよりここから出るぞ!」

「でも扉が開かないよ!」

「くそっ!」


 白君は何度も扉に体当たりするが扉はびくともしない。


「ちょっと手荒だが……仕方ねえ……」


 白君の手が青く燃え上がる。

 その燃える拳を振りかぶった時、全身が燃えているあの顔の見えない子が白君の腕を掴んでいた。


「おい! 離せ!」


 その子は首を振り更に白君にしがみつくとその子の火が白君にも飛び火し始めた。


「くっ!」


 白君の力なら振り解けそうなのに白君はそれをせずその子を突き押しているだけだ。


「白君! ちょっと! はーなーれーてよーー!」


 私は燃えているその子を掴み引き剥がそうと必死になって、自分の手が燃えている事に気が付かなかった。


「智子! 離れてろ!」

「だってこのままじゃ白君が!」

「俺は大丈夫だ!」


 教室は強く火の手が上がりどんどん崩れ始め、ドォンッともの凄い音が響くとついに私達がいる天井が崩れた。

 咄嗟に白君がしがみついている子を突き飛ばして私の上に覆い被さる。


「あれ? 落ちて来ない?」


 崩れて来た天井は私達の頭の上でふわふわと浮かんでいた。


「まったく、遅いと思ったら何やってんの?」


 私達のすぐ隣に立っていたのは銀君だ、そしてもう一人。


「え!? 銀君?」

「ほらトモすけ、さっさとここから出ろ!」

「十字さんまで!?」


 十字さんは燃えている子の手を掴み押さえていた。


「わ、わかりました! みんなも早く!」


 教室から出るといつもの学校と変わらない。

 そこには赤井さんと黒君がいた。


「無事でしたか」

「智子お姉ちゃん大丈夫だった!?」

「え、ええ私は大丈夫だけど……白君、銀君、十字さんがまだ中に……」


 さっきまで崩れて開いていた扉が直ってまた閉まってしまっている。


「彼らなら大丈夫ですよ」

「でも……」

「それより智子お姉ちゃん手が!」

「あ……」


 黒君に言われ気がついた……。

 私の手が焼けただれていた事を……。

 この瞬間、激痛が走り始めた。


「ーーー!!!」


 声にならない叫びを上げてしまう。


「そんな声を出すな! キャンキャンうるさいぞ」


 柱の影に灰さんが壁に寄りかかって立っている。


「だって! だって!」


 私は自分の焼けただれた手を見てまた痛みが出て来てしまう。


「あー、わかった……ほらよ……、……もう一度手を見てみろ」


 灰さんは指をパチンと鳴らしすともう一度手を見ろと言うが……あれ?


「痛く無い……それに火傷もしてない?」

「あれは幻覚だ。 もとから火傷なんてしてないんだよ。 お前は()()()()()()なってただけだ」

「え!?」


 あんなにリアルだったのに? 熱も痛みもリアルだった……。


「それよりさっさと帰るぞ! こちとら締切ちけーんだからな」

「みんなは!?」

「大丈夫だって……よし黒、お前がこいつを家に連れて行け」

「僕が一人で?」

「そのくらいは出来るだろ? それとも怖いか?」

「こ、怖くはありません!」

「よし、なら任せた」


 灰さんにシッシと邪魔者扱いされるように学校から追い出され、私は黒君と手を繋いで家に帰る。


「みんな大丈夫かな……無事ならいいんだけど……」

「兄さん達なら心配いらないですよ。 強いですから」

「そうよね、大丈夫だよね」

「僕は智子お姉ちゃんを家に連れて帰るって言う大事な使命がありますから、僕に任せて早く帰りましょう!」

「う……うん、お願いねナイトさん」

「任せて下さい!」


 私が黒君と家に向かっている時、まだ学校では異変が続いていた。

 読んで頂きありがとうございます。

 不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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