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第拾壱話【友の在り方】

 オキョウさんの事件が解決したが、まだ奏への説明が済んでいない。

 丸一日学校を無断欠席しちゃったから奏心配してるだろうな〜……と携帯を見ると奏から沢山の連絡と着信が……。

 なんて説明しよ……このご時世に妖怪に攫われてましたとか言って信じてもらえるのだろうか?

 一応明日説明すると伝えてはあるけど……、……それよりみんなの姿を見たらどんな反応するんだろう……。

 嫌われたりしないかな……?

 考え事が止まらずなかなか寝付けないが、時間は止まってはくれない。

 カーテンからの朝日が朝を告げる。

 眠い目を擦って学校に行く準備をしていつもの待ち合わせ場所に向かう。


「あ、奏! お、おはよう……」


 私が挨拶をするも奏は無言で近づいて来て、私に抱きついた。


「か、奏?」

「もうー! 心配したじゃん! 連絡しても返事無いし! 家に行っても誰も出てこないし!」

「ご、こめん……説明するから……」

「……わかった、ちゃんと説明してよね!」

「う、うん……」


 奏は凄く心配してくれていた……その事は本当に嬉しかったけど……本当の事がわかった時、奏はなんて思うだろう……。


 放課後にテスト勉強も兼ねて奏と一緒に飯綱荘へ。

 今日は灰さん、十字さん、銀君、黒君、そして白君も食堂に座って勢揃い。

 赤井さんは用事があるとの事でいないけど。


「初めまして、トモモ……智子の友達の奏って言います」

「奏ちゃんか〜、前に一度会ったよね」

「僕も会いました」

 

 銀君と黒君は奏の事を覚えていてくれたみたい。


「俺は初めてだな、一応自己紹介すると、俺の名前は十字だ」

「十字さんですね、よろしくお願いします」


 なんだか奏緊張してる。


「僕は銀って言うんだ、カナちゃんよろしくね」

「か、かなちゃん?」

「僕は黒と言います。 よろしくお願いします」

「よ、よろしく……」

「ほら、灰も自己紹介しておけよ」

「めんどくせーな……、……灰だ」

「よ、よろしくです……、……ねえトモモ」

「なに?」


 奏が耳打ちしてきた。


「今日は赤井さんはいないの?」

「今日は用事で遅くなるらしいよ」

「な〜んだ残念……」


 奏は少しガッカリしているようだけど……奏は赤井さんが気に入ってるみたいね。


「もう正体を明かしてもいいだろ? 締切近いんでな」

「は、はい! お願いします。 奏、気をしっかり持ってね」

「う、うん……」


 奏は何が始まるのかとドキドキしてるみたい。

 そうよね、私も何故かドキドキしてるし……。

 灰さんが指をパチンッも鳴らす。

 するとみんなの姿が……完全に狐なんだけど……。

 いつもなら耳と尻尾が生えるくらいなのに……あ! 灰さんの幻術!?


「え!? なに…これ……? ねえトモモ!」

「これでわかったかしら? 私達は狐の妖怪なのよ。 奏と仲良くしたのはここに招き入れて食べるつもりだったのよ〜!」


 幻術で生み出された私が何か怖い事言ってる……。


「灰さん! こんなの早くやめさせて!!」

「まあまあトモちゃん、少し待ってよ」


 銀君に止められたけど、こんなの酷いよ……。


「くくく……クカカカ! 今日はご馳走だぜ!」

「俺は右足をもらう」

「僕は左腕」


 僕は……俺は……と奏の四肢を食べるとヨダレを垂らしながら近寄っている。

 私はこの様子を映像のように見えていた。


「それじゃ私は……頭かな……クカカカ……」


 うつむいて震えている奏に近づいて行く。

 突然奏が震える手を向けると話し始めた。


「……待って、ちょっと待って! 何これは!? 何かのマジック? 私の知っている智子はこんな事をする子じゃ無い! 私の友達に酷い事するなら私が黙っていないからね!!」


 奏が叫ぶと幻術は消え、普通に戻っていた。


「あ、あれ?」

「さすがトモちゃんの友達だね」

「合格だな」


 銀君と十字さんが奏に向かってグッドサインを送っている。


「トモモ、どう言うこと?」

「えっとね……」


 奏はまだわかっていない。


「まだわからねぇの? こう言う事だ」


 灰さんは耳を出し尻尾を出した。

 それに釣られてみんなも耳と尻尾を出した。


「俺達は狐の妖怪だ。 これは間違いない」

「智子お姉ちゃんは僕達のー……主人?」

「使役者って言えよ。 まぁ、使役されてるつもりはねぇけどな」

「そう言うことだよカナちゃん」

「…………」


 奏は黙ったままだ……やっぱり驚いたよね……。


「ねぇ……トモモ……」

「な、なに……?」

「これ本当のこと?」

「そ、そうだよ……」

「……、……すっごーい! 凄いじゃん! え!? なに? それじゃトモモは白君達のご主人様ってわけ? もしかして赤井さんの事もトモモが主人なの!? この耳本物? 尻尾ふさふさじゃん! 白君ちょっと触らせてよー!!」


 奏の怒涛の勢いで捲し立て、椅子からはみ出ている白君の尻尾を触ろうとしている。


「や、やめろ! 触るな!」

「いいじゃん少しくらい、減るもんじゃ無いでしょ〜! それじゃ……黒君〜!!」

「ぼ、僕も嫌です〜!!」


 奏は黒君を追い回してぐるぐる回っている。


「あとはお前が説明しておいてくれ」


 白君達は部屋に戻ってしまったので、奏と捕まった黒君と部屋に戻って説明を始めた。


「ふ〜ん……なんかいいね。 私も一人欲しいな〜……黒君うちの子にならない?」


 奏は黒君を膝の上に乗せて耳の生えた頭をずっと撫でている。


「奏さんそろそろやめてもらえませんか……? それに僕は智子お姉ちゃんだけです!」

「そんな〜……残念……。 でも、トモモ、話してくれてありがとね」

「ううん、こっちこそ本当の事を知ったのに……嫌いにならないでくれてありがとう」

「なる訳ないじゃん! 私達親友でしょ?」

「うん!」

「それにしても……トモモが使役してるとは言え、こんなイケメンだらけの屋根一つの家にいるなんて……羨ましい〜」

「私も初めは知らなかったよ。 私のお婆ちゃんが妖怪を捕まえてるなんてこともね」

「その力をトモモも持ってるってことでしょ? 気をつけないとまた攫われちゃうかもよ」

「そこは気をつけるわ」

「私は赤井さんになら攫われてもいいけど……あ、黒君も攫っていいわよ〜」

「何言ってるのよ」


 ずっと撫でられたり、頬をすりすりされたりして迷惑そうな黒君を見て私達は笑って話しを終えた。


「それじゃ、また来るね」

「うん、また学校で」

「あ、そうそう笠島 美玖(かさじま みく)にはバレないようにしないとね。 あの子達白君のファンだから」

「そうね、気をつける」

「黒君もまたね」


 髪の毛がくしゃくしゃになった黒君はぺこりとお辞儀をするだけで返事はなかった。

 夜、赤井さんが帰って来て今日の奏について話しをした。


「それはよかったですね」


 奏がみんなを受け入れてくれた事に喜んでいる私の姿を見て察してくれた。

 奏、ありがとう……。

 読んで頂きありがとうございます。

 不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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