第拾話【お助け完了】
白君達に助けられた私は飯綱荘に戻って来ていた。
オキョウさんも黒君に連れられて今は私の部屋で眠っている。
「それでは智子さん、連れ去られた時の事を教えていただけますか?」
赤井さんに事情聴取されたが、私が覚えているのはおっきくなったオキョウさんとその影で話して来た声しかわからない人……、それを告げるとみんなはまだ何もわからないと言うが、白君の険しい表情は変わらない。
「あの……聞いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
「どうして私の居場所がわかったんですか?」
「それはですね……、……智子さんなら話していいでしょう。 銀が物を動かしたりする力があるように私は予知の力があります」
「予知!? 予知って未来がわかったりするんですか!?」
「今の私は近しい未来しか見えませんけどね……それで智子さんに危険が迫っている事がわかりました」
「す…凄いですね……予知なんて……、……私の居場所も予知の力ですか?」
「いえそれは違いますね」
「それは僕の力だよ」
赤井さんの話しに割って入って来たのは黒君。
「僕は探知能力があるんです。 それに智子お姉ちゃんから顕現したから繋がりでよくわかるんだ」
「そっか、黒君ありがとね」
「えへへ……」
「僕達だって頑張ったんだけどな〜」
「そうだぜ、俺なんか服が破れちまったし」
黒君を褒めて頭を撫でていると、銀君と十字さんが文句を言うように話して来た。
「二人とも助けに来てくれてありがとうございます」
「トモちゃん気にしないでよ。 今日のご飯はオムライス作ってくれればいいし」
「おい銀! お前が気にするなはおかしくねえか? 服が破れたのも銀のせいでもあるんだぞ」
「そんな事無いよ〜、十字がカッコつけただけじゃん」
「なんだと〜!」
「まあまあ二人とも落ち着いてください。 助けてくれた事に感謝してますから……でもなんで服が破れたんですか?」
他のみんなは服が破れたりしてはいないし……。
「ああ、それは俺の能力であの猫の攻撃を受け止めちまったからだな」
「十字さんの能力ですか?」
「俺の能力は硬質化さ。 体を鉄のように硬質化させる事が出来るんだが……」
「服までは硬質化する訳ないのに、十字ったらドジだよね〜」
「銀! お前がさっさと力を使わないからだろうが!」
「だって疲れるんだもん」
「銀君の能力は物体浮遊?」
「そうだよ、他にも出来るけど疲れるんだよね」
みんな一人一人に不思議な能力があるんだ……。
「それじゃ白君は?」
「……俺は炎だ……」
「そっか、牢屋を壊した時の力って炎なんだ」
「そうだよ僕ら妖狐が得意とする力、【狐火】ってやつさ」
「白はその狐火の力が一番強いんですよ」
「みんなすごいんだ! と言う事は灰さんも何か得意な能力を持ってるんですか?」
「持ってるぜ」
背後から突然灰さんの声がするかと思ったら、パチンッと指の鳴らす音がする。
「灰さん? ……え……き……きゃーー!!」
指の鳴らす音と共にみんなが……は、裸に……。
「こら灰! イタズラはやめなさい!」
「ヘイヘイ」
もう一度パチンッと指を鳴らす音が聞こえるとみんなは元に戻っていた……。
「え!? 今のって……?」
「まったく……これが灰の能力ですよ」
「そ、俺の能力、幻術さ。 しかし、いい反応が見れたぜ」
「幻術……ってもーう!! 由香里さんに原稿が遅れているから来てくださいって言いますよ!」
「おいおい、そりゃないだろ! ちょっとしたイタズラなんだからよ」
「それじゃもうこんなイタズラはしないでくださいよ!」
「ヘイヘイ」
灰さんのイタズラには困ったものね……。
「あ、あの〜……」
カラカラと食堂の扉が開かれると、そこにはオキョウさんが立っていた。
「オキョウさん、もう体は大丈夫なんですか?」
「はい、おかげさまで……」
「それなら話しを聞かせてくれ」
白君は割と真剣な面持ちでオキョウさんからの話しを聞こうとしていた。
「はい、私とテッサの二人はいつものようにあの廃神社で楽しくしていました。 ところがある日、神社に向かっていた私の前に突然見た事の無い妖怪が現れたんです……」
「その妖怪の顔は見たのか!?」
「いえ……記憶はそこまでなんです……声はわかりましたが、姿のことは覚えておりません……」
「そうか……」
「そうですか、わからないなら仕方ありませんね、しかししばらくはここを離れた方がいいでしょう」
「そうします」
その夜、迎えに来たテッサさんと共にオキョウさんはお礼を言って帰って行った。
こうして無事に飯綱荘に平和が戻った……、……って無事じゃなーい!!
もうすぐ中間だったー!!
学校も休んじゃったし……明日奏になんて言えば……。
「トモちゃんもしかして学校を休んだことを心配してる?」
「う、うん……」
「それなら白に任せれば大丈夫だよ」
「ど、どう言うこと?」
「白だって記憶をちょっとイジるくらいの妖力はあるってことだよ。 僕らの固有の能力とは違うからね」
「そ、そうなんだ……。 あ、でも奏には妖術使わないで欲しいな」
「なんで?」
「奏は親友だから……ちゃんと話したいの」
「……俺は構わないが、話して事情を知ると今回のように危険に巻き込まれるかも知れないぞ」
「うん、でも……その時はまたみんなが助けてくれるんでしょ?」
「さあな……」
みんな知らんぷりをするけど、きっと助けてくれる。
私、みんなの事を信じてるから。
翌日、奏には隠している事を全部話すと言って放課後に飯綱荘まで来てもらう事にした。
読んで頂きありがとうございます。
不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。




