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【第一部】闇堕ち転生~転生先が主人公だと思ったら闇堕ちする方の双子の兄でしたw~  作者: 鬼怒藍落
第三章:龍を宿す卯月の姫君

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第37話:大地を司る龍の神【中編】

 水の砲弾、植物の槍、岩石の剣。

 それら全て咒が込められていて、当たったらヤバいと言うことだけが分かる。

 一心不乱に氷を盾に前に進むが、それら全てが一撃で壊され――その攻撃が俺に届く。


「ッ――この百合龍が!」


 蔑称を叫び悪態をつきながらも思考を止めることはない。

 とりあえず一つでも攻撃の手段を減らす為に湖に触れようとするが、それはだけは全力で阻止される。

 知識を頼りにこの空間の事を考察するが、多分これはあいつの神域だ。

 神綺と九曜の神社と同じ物だろうが……その性質はこんな短時間で解析するのは不可能。今分かる事があるとすれば、それはこの空間があいつの庭という事だけ。

 大地の龍というのは知っているが、こんな場所は原作では使われなかった。だけどそれでも――俺は勝つしかない。

 未来を変えるという意志を貫き通すため、何より龍華に笑って欲しいから。


「纏い集え凍刃(とうじん)


 今まで射出していた氷の(やいば)

 それを一点に、妖刀四季に集めて刀を強化する。

 俺の霊力をかなり込めその上四季の冬の力を纏わせた一撃。

 その一刀を振れば、氷の斬撃が放たれる――それは迫る攻撃全てを凍てつかせ、相手の体に見て分かるような傷を与えた。


「罪人――風情がァ!」


 龍が叫ぶ、この神域全体に響く程の声量で。

 ……カウンターなのか、先程よりも苛烈な攻撃が幾つも跳んでくるが、それは岩石の壁に防がれる。


「――私を忘れないで頂戴」


 龍華の援護だ。

 木の槍を岩石の剣を水の砲弾を――その全てを防ぎきり俺を守ってくれる。

 だけど、練度が足りない。数百年は生きるこの龍の術の練度は桁違い、龍華の術では完全に防ぐことは出来ない。

 ――でも。


「一瞬守ってくれればそれでいい!」


 術を放ったことで生まれる隙、それはどんな強者でも生まれてしまうものだ。

 だからそこを付く。四季の冬に俺の氷の術を更に合わせ本来の俺では届かない領域に踏み入れる。

 

「限定氷界」


 あの牛頭戦で一度だけ使えた刃の奥義。

 四季の力を使ってでも再現する事は叶わないが……それでも手を伸ばすぐらいは出来る筈だ。この空間を埋めるほどに今まで抑えていた冷気を解放する。

 今まで使っていた凍装――それは俺を守ると同時に冷気を抑える封の役割を担っていた。それを今、俺は全て解放しこの空間を支配下に置く。

 最初から出来る程の技量があったらよかったけれど、彼の奥義である氷界を使うにはこれほどの下準備をしなければ再現できないから。


百刀風雪ひゃくとうふうせつ――桜刃(おうじん)


 瞬時に刀を作り出す。

 千本は用意できないから、俺に出来る限りの百本で。

 そして用意された百の刃の制御を俺は手放して――花弁のように刃を散らした。

 込めた命は俺の霊力が残ったものに対する攻撃、それだけを残して吹雪くように暴れる刃は一斉に相手に襲いかかる。

 

「――桜刃繚乱おうじんりょうらん


 入り乱れる桜をもした刃の嵐、それは相手を囲んで切り刻み夥しい量の血で大地を染めさせた。


「ッ――――GAAAAAAAAAAA!」


 最早人の言葉を発せぬほどに悲鳴を上げる大地の龍神。

 そんな彼女は桜に埋もれ地面に落ちたと思った――だけど、そう思ったことが間違いだった。

 一斉にして氷が溶ける。

 有り得ないほどの熱量を感じ、風が吹き荒れた。


「吾にこの姿を――使わせるか!」


 存在感が変わった。

 ――今まで自然豊かだった神域が、彼の龍の存在の昇華と共に変わり果てる。

 水は干上がり、森は燃え――地面だったものからは火山が生まれた。


「神殺しの蛇――カグツチから賜ったこの姿。それを人間如きに使うとは」

  

 ドロドロしたものを纏いながら、龍は飛翔する。

 全てを生み出す大地の龍から、全てを燃やし灰燼に帰す岩漿(マグマ)の龍へと――そうだ。何故忘れていた? 龍華は、将来的にマグマ即ち溶岩を使う。つまりはその力を与えたこの龍もそれを使えるということだ。

 原作では絶対に披露されたなかったその姿――絶対的に相性が悪いだろうし、何よりこの離れた距離ですら感じる温度。

 使える氷の武器――それが通るとは思えなくて。


「これで去ね――罪人」


 今までは辛うじて防げていた攻撃は、全てが溶岩で出来たものにかわり――それら全てが牙を剥く。

 咄嗟に防ごうと思った――だから盾を作った。

 だけど、それは一瞬で溶かされて俺の元に槍が届き、


「ぐっつ――ガァァァ!?」


 回避も許さないその攻撃、辛うじて左腕で防いだがその代償は……。

 

「――刃、左腕が!」

 

 左腕の一部を失うというものだった。

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