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ハルピュイア再び

多勢に無勢。

私一人を寄ってたかって三人で攻めるなど、それって酷くありませんか!


『エレオノーラよ、お前の素直さは非常に好感を持てるが、もう少しその言葉の裏を考えよ。此処に居る者はお前の体の心配をしているのだ』

「ならば心配しているとか、体に悪いとか、表現方法はいくらでも有るじゃないですか」

「まあ、お前のその行動に、いささか腹は立てているからな」


ほら、やっぱり怒ってますよね。


「まあいい、お前はまだ大人の入口に立ったばかりだ、これからいろいろな事を覚えていくだろう。それよりそろそろ戻るが、ここの者達との別れは済んだのか?」


あぁそうだった。

来ようと思えばいつでも来れるようにはなったけれど、暫くはまた別の仕事に掛かり切りになるのだ。

一応別れを言っておかなくちゃ。


「そんちょーさん!」

「おお聖女様。もうお発ちになられますか?」


一応の状況は説明済みで、今日発つ事も彼達に伝えてあります。

そして今後は、私達の代わりに技術者達が引き継ぐ事も。


「はい、大変お世話になりました」

「いえお世話になったのはこちらの方です。聖女様にはなんと感謝すればいいのか……」

「私など大した事などしておりません。今回の功労者はあそこにいる三頭のドラゴンです。あの小さい二頭は、もう少しここに留まり、今まで通りこの村の復興のため手を貸してくれるそうです(自分達が蒔いた種だからね)。それからひときわ大きいドラゴンは、今後もこの地に留まる事を希望しております。どうかよろしくお願いしますね」

「もちろんでございます。私達の命に代えてもあの方達をお守りいたします」


いや、多分守ってくれるのはリンデンさん達の方だと思います。

だからこそ、私は安心してこの地を去る事が出来るんです。


「それからもう一つお願いが有ります」

「はい、私達で出来る事ならばなんなりと仰ってください」

「あの山の頂上に有る一際大きな樹ですが、あれは絶対に傷つけないで下さい。もしあの樹に何か有れば、この世界に何らかの影響が出る可能性が有ります」

「はい、その事に関ししかと承りました。この事は我が子々孫々まで受け継ぎ守り抜くとお誓い申し上げます」


あの樹に何かあったなら、多分ここに住むリンデンさんが、何とかしてくれるとは思うけどね。

村長さんとの挨拶を済ませ、あと数人にご挨拶をして……。

あぁ、アレクシス様にも一言いっておいた方が良いかな?


「アレクシス様、それでは私達はこれでお暇させていただきます。今後の事はよろしくお願いします。それと、もうイカルスお兄様からお聞きかもしれませんが、あの山の頂上にある樹はユグドラシルの苗木ですから、くれぐれも丁寧に扱って下さい」

「はっ?」

「それからその根元から湧き出ている泉は、あのドラゴン達と私の魔力が含まれております。故にあらゆるものに効く薬のような成分も含まれております。どうぞお役立てください。ただ、私欲や邪な事に使用すれば、多分それなりの報いを受け兼ねませんので、それだけは心してくださいね

「はぁっ?」


あれ?兄様は国の方に報告をしてはいなかったのかな?


「いえ、あなたの魔力でこの地が水を取り戻し、緑が蘇ったとは報告が有り、さすがジャクリーン様の娘と感心しておりましたが、まさかここ迄とは思ってはいませんでした。いや、決してあなたを軽んじていたわけでは有りません。しかしあの樹がルグドラシルであり、湧き出る水が奇跡の泉とは………それにしてもリンデン殿には面識は有りましたが、新たな二頭のドラゴンは一体」

「あー、ピーちゃんとポッポちゃんですか。どうやらあの子達は……私の眷属?らしいです」

「眷属!?」


やっぱり驚きですよね。

私もそうでしたから。


『ちょっと~、あんた私の事を忘れてない?』


その声の方向を見ればハルピュイアさんじゃありませんか。


「あれ、あなたはもう、あの泉の水で呪いは解けたんでしょ?なぜこんな所に居るの?」

『えー、私だけ除け者の放ったらかしで酷いじゃない』

「酷いって言われても、もう楽になったのだから、自由にどこかに行けるでしょう?」

『あんた達だけ楽しそうな事をしていてさ!私もここで拗ねてれば仲間に入れてくれるかと思えば、全然気が付いてくれないし~』


そう言われても、いろいろ有ってあなたに気が付かなかったのは悪かったけれど、一体どうしろと言うんじゃ。


『だからさー、私も仲間に入れてよ』

「仲間に入れろと言われても、今ここにいるみんなは楽しく遊んでいる訳じゃなくて、仕事をしているんだよ」

『ならば私もあんたの役に立つよ。何せあんたには呪いを払ってもらった恩も有るからね』

「私に恩があるなんて、そんな大げさに考えなくてもいいって。あなたはただ、私の作った泉に落ちただけなの。だからそれは単なる偶然なの」

『偶然じゃないよ。私はあんたの魔力に惹かれ、ここまでたどり着いたんだから。あんたの魔力って、とても心地いいんだもん』


あー言えばこー言う。

このままじゃぁこの子は引きそうもない。


「分かった。ならば呪いを解いた分だけ仕事をしてもらおうじゃないか。あなたは一体どんな事が出来るの?」

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