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常識を知れ!

『なに、簡単な事じゃ』

「それ採用!」

『なぜわしの話を聞かぬうちにそう言う。それを言うなら、ちゃんと話を聞いてからにしろ』


いえ、リンデンさんの言う事に間違いは有りません!


『まあいい。良いか、あれは埋めたままでよい』


ダメですって、それだとピーポちゃん達はいずれ魔力を使い果たし、死んじゃうんですよ!


『お主は傷を癒す事も出来るだろに』

「そりゃぁ出来ますけど、でもあれは魔力の源なんでしょう?それを生やすなんて、そんな事は出来ませんよ(と、思う)」


『ふむ、そう思うのも無理は無い。お主は大まかな事は大雑把だが、変な所で深堀をしすぎるからのぉ。まあ今は難しく考えず、ただの治療の一環だと思ってやってみろ』

「そうですかぁ?まあリンデンさんがやれと言うならやってみますが、もし失敗したら………って、ダメですよ。今やっちゃったら、あの子達そのまま逃げちゃって、お仕置きできませんよ」

『フォッフォッフォッ』


何を笑っているんですか。

私はあの子達には、してはいけない事が有ると教えたいんです。


『何も逃げたら捕まえれば済む事。それにお主はあ奴らに名を与えたであろう。たとえ尾や翼が戻ったところで、お主が望まない限り逃げる事は叶わぬよ』

「そうなんですか?」

『そうなんじゃ』


ならば、シッポと翼を今すぐ元に戻してあげよう。

なぜ今かだって?

作業効率が良いからに決まっているじゃありませんか。


「おーいあんた達、一休みしてこっちにおいで~」


下の方で岩を運んでいたピーポちゃん達に声を掛ける。


「何すか姉さん、他に仕事でもできたんですか?」

「本当に竜づかいが荒い。やらせたい事が有るならさっさと言って下さいな」


やだなぁ、一休みしてこっちにおいでと言ったでしょうが。

もっとも仕事をしたいなら、治療してから好きなだけやらせてあげるから楽しみにしておいで。


「あんた達を治療して、シッポや羽根を返して(生やして)あげようと思います」

『『あ、姉さん!』』

「だーけーど、あんた達に言い渡しておく事が有りま~す!」

『はい?』


私がピーポちゃん達の傷を治して、逃げる隙を与える前に言っておきます。


「私があなた達に”もういいよ”と言うまでは、ピーポちゃん達は私に従いなさい」

『は?』

『姉さんはそんな事を考えていたんすか!?』


えっ、それって考えちゃいけない事だったの?

ごめんごめん、今の撤回す………。


『やはり姉さんもそうなんだ』

「はい?」

『姉さんも俺達の事を分かってくれないんだ。どうせ俺達は嫌われ者の厄介者なんだよ』


いや、好きか嫌いかと言われれば、出来の悪い子ほど可愛いと言うか、どちらかと言えば、好きの方向に針は傾いていると思いますけど。


「あんた達何か有ったの?」

『いいんだよ。どうせ俺達が話したところで、言い訳だとか言って、まともに聞いちゃくれない。話すだけ無駄なんだよ』


そう言われると、なおさら聞きたくなるのが世の常。

良いから大人しく話してごらん。


やはりリンデンさんの言っていた通りらしく、魔物が一度名を付けられれば、名付けた者が死なない限り従わなければならない。

それは名を貰った時点で、魂に刻まれるから、自ら裏切ることなどしない…出来ないそうです。

それから、この子たちのいじけていた理由は、どうやらこの子達はドラゴン界では有名な鼻つまみ者らしく、本人(?)達はそれを酷く気にしていたが、自分達を必要としてくれる者が出来たと、かなり喜んでいたらしい。

だけどさっきの私の発言で、私が”もういいよ”と言った時点で、自分たちはお払い箱になると思った。

私的にはそんなつもりは無かったんだけどね。


まあざっと、つまはじき者になった理由も聞いたんだけどね、若者のあるあると言うか、相手が悪かったと言う感じですかね。

ドラゴンの性格にもいろいろ有るのだろうが、どうやらこの子らはヤンチャが過ぎたらしい。

今は後悔しているが、世間はこの子達の起こした事を、その本性として受け止め、風当たりも強いまま。

ろくに相手をしてもらえなくなったと。

まあ中立的立場から言えば、あんた達が悪い。

いくら若気の至りとは言え、大見得切って、自分達を誇示するためドラゴンキングをぶっ叩きに行くってどうよ。

あげく、キングの前に辿り着く事も出来ず、下っ端のドラゴンに取り押さえられ、そのドラゴンの計らいで門前払いを食らったと。

それを、俺達の仕返しが怖くて、何にも出来ず解放したと吹聴した?

バカですか。

それを聞いたキングは、軽く笑い飛ばしてさらに放置。

それがまた気に食わないと、キングの住処に嫌がらせをしたり、酷いデマを流したんですか。

あんた達、大馬鹿ですか。

小さな子供だって、良い事と悪い事の区別ぐらいつきますよ。


『そんな事は分かってるよ』


業を煮やした親に監禁され、約30年ほど閉じ込められ、その岩屋の中でようやく自分の愚かさに気が付いたらしい。

まあそれに気が付き、反省したのが本当なら誉めてあげるけれど、そうなるまでに30年も掛かったってどうよ。


『あぁ、俺たちは大バカ者だよ。だが自分のやった事に気づいてから反省したんだ。だけどそれを分かってくれる奴は誰一頭もいなかった………』

「分かってもらえるよう努力はしたんだ」

『いや』

「いや?分かってもらえるように、行動を起こさなかったの?」

『反省はしたのだ。それ以上何をしろと言うのだ』


あなた達の考えはよーく分かった。

ならば私も一肌脱ごうじゃないか。


「あんた達にあれを返す事は、当分延期します」

『えー、そんな~。俺達ぬか喜びですか?』

『こんな姿を誰かに見られたら、いい笑いものだわ。言った以上約束を守ってちょうだい』

「何とでも言うがいい。私は気が変わったんだ」


こんな姿を見られたら、いい笑いものになるだと?

ならば笑ってもらおうじゃないか。

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