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ドラゴンズ

『あなたはなぜ、そんなゴミムシと一緒にいるんですか!?』

『ほう、この者を外見のみで判断するのか』


リンデンさん、それってフォローになっていません。

外見はゴミムシだって肯定してます。


『まあそう細かい事を気にするでない。大切なのはその者の本質だ』

「まあそう言う事にしておきますか。さて、あなた達はこの人達に償わなきゃならないんですが、それは理解していますか?」

『償うですって!?一体私達が何をしたって言うの。たとえそんな下等生物に私達が何かしたとしても、それを甘んじて受けるのが人間でしょう?』

「なるほど。リンデンさん、ドラゴンさんは皆こんな考え方なんですか?もしそうであれば、私も考え方を変えなくちゃならないんですが」

『い、いや、ドラゴンも他の種族同様、己の考え方は様々だ。わしは寛大だぞ、こいつらと違って……。だから先日こいつらに会った時も、余りにも身の程を知らない態度に業を煮やし、きつくお灸をすえてやったのだが、まだ態度を改めないようだな』


リンデンさんと会ったのって、確か150年前でしたね。

どうやらその時、リンデンさんからぼこぼこにされたらしいんですが、それを癒すためにここでお昼寝をしていたそうです。

150年間……。


「リンデンさん………」

『いや、わしが悪い訳ではないぞ。悪いのは人の迷惑も考えず、のうのうと寝腐っていたこ奴らのせい………いや、すまなかった』


素直な子は大好きですよ。


『ならばわしは償いの為に何をすればよいのだ』

「知恵を。どうすればこの地を戻せるのか。何がこの子達の一番の罰になるかを教えてください」


この中で一番の年上はリンデンさんだし~、何たって年の功って言うじゃないですか。


『手っ取り早く戻すなら、お主がやった方が良いだろう。こ奴らに罰を与えるのなら、その後の始末をやらせればよい』


簡単そうに言うけれど、具体的な方法を教えて下さいよ。


『こいつらさえいなければ、この地は自然と元の姿を取り戻す。しかしそれまでにはかなりの時間がかかるだろう。ならばまずこいつらの魔力を封印し、お主がこの地を一気に戻せばいい』

「こうなった原因はこの子たちの火力ですよね。封印するとそれも抑える事が出来るんですか?」

『そうだな、試しにやってみるがいい』

「了解です!」


封印、封印か。

確かに以前、私にも掛けられていたけれど、それをやったのは母様だけどな……。


「もしもし母様、ここにとっても悪いドラゴンがいるんだけど、お仕置きのため魔力を封印したいんです。それってどうやればいいんですか?」



母様曰く”人間のやり方なら知っているけれど、ドラゴンのやり方なんて知らないわ”だそうでして、リンデンさん知っていますか?


『魔力の源になる部分を切り落としてしまえばいい』


何だ、初めからリンデンさんに聞けばよかった。

でも切り落とすか……。

でもそれって、魔力の源を体から切り離す事であって、致命傷になりませんか?


『あいつらなら体に残った魔力で20年ほどは持つじゃろう。お主なら切り落としたものを保存できるだろうし、気が済んだ時にそれを体に戻し、治療する事も可能じゃろう』


つまり、20年タダ働きさせても大丈夫なんですね。


『きさま!大人しく聞いていれば何て物騒な事を!まあいい、そんな虚勢を張っていてもしょせん人間。なにも出来まい!』

「それが出来ちゃうんですよ」


はい、包丁!

なぜ今そんなものを持っていると言われていても、持っていたんだも~ん。

私はそれを、ブンと、この分らんちんのドラゴンに投げつけ、そいつの尾を切り落とした。

なぜシッポだと分かったんだと?だってそこから膨大な魔力の気配がプンプンしていたんですよ。


「はい、一本目!」

『ダーリン!』

『くそっ!ハニーに何て事をするんだ!』


恋人さんかご夫婦か知りませんが、どちらにしても償いはキッチリしてもらいますからね。


「二本目行きます!」


くるりとブーメランのように戻って来た包丁を再びダーリンに投げつける。

スパッと小気味のいい音を立て、見事に切り落とされた尾が宙を舞う。


『くっ、くそ!ハニー、ここはいったん引くぞ!その汚らしい貧弱な女!後で覚えていろよ!!』


あ・れ~。逃げるんですか?

このシッポを置いたままで?

それに私の事を貧乳って言いましたか?(貧弱だよ)

聞き捨てなりませんね。

私はもう一度包丁を構え、逃げようとするドラゴンペアに向け、思い切り投げつけた。


スパンッ!スパンッ!スパンッ!スパンッ!


空に飛び上がろうとしたドラゴンさんが、すっころんで地面に沈んでいます。

その傍らには4枚の羽根が。


『なっ、なっ、何をするんだ!!誇り高きドラゴンの羽根を切り落とすなど、神に対する暴挙とも等しい!!』


そうなんだ、ごめんね。

でも、あんた達のしたことは神様も許さないと思うよ。

あんた達の好き勝手にした事で、苦しんだり、死んでいった人はたくさんいたんだよ。

もし神様が許しても、私は絶対に許さないからね。


『なぜあなたは、こんな虫けらのする事を黙ってみているのですか。こいつは誇り高き我々ドラゴンにこんな事をし勝ち誇っている。こんな事を許すおつもりか!』

『そんな虫けらに手も足も出ず、やられる一方なのはお前達だろうう。それにエレオノーラはわしの名付け手なのでな、逆らう事は出来ないのだよ』

『『えっ!!!』』


やはりドラゴンに名前を付ける事は、とても大変な事なんですね。


「そこのダーリン、あなたの名前はピーちゃん、ハニーはポッポちゃん。はい決まり~」

『『えー!!!』』

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