表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/109

サヨナラ、またね

「ミッ…ミシェ…ル?」


驚きながらも、彼女を呼ぶ声。

奥様に至っては、それすらも出来ない様子。

ただ眼を見開き、彼女を見つめている。


「ミシェル、早く…」


言葉を掛けるなら早くして、どうやらそれ、私の魔力が形作っているようで、バカバカ魔力を食いまくっているから。

私が魔力切れを起こしたら、消えちゃうから。


「ミシェル!」


思わず抱きしめようとしたけれど、それは叶わなかったようだ。

まあ、それ魔力の塊だろうから、無理だと思うよ。


『奥様、旦那様、ごめんなさい!』


ミシェルはそう言い、頭を深々と下げた。


「ミシェル、あなた帰って来てくれたのね…」

『はい、私ここに帰ってきました。でもたぶん奥様達に会うのはこれが最後だと思います』

「どうして?ずっと此処に居ればいいじゃないの」

『それは叶わない…。だって私はとても幸せだったから、こうして皆にも会えたから、もう思い残す事も無いし、後は神様の下に召されるだけだから』

「それなら…そうだミシェル、思い残した事が有ればいいのだろう?テレサのお腹の子を見たくないか?見たいよな?それにあの学び舎だって、ミシェルがいたからこそ実現したんだ。あの貧しかった子達だって、ここに来て、ミシェルの話を聞いて、ずっとお前に会いたがっていたぞ。だから、ずっと此処に居たらどうだ?」

『ありがとうございます旦那さま。そう言っていただけてとても嬉しいです。でも私満足しちゃったし、これ以上我儘言いたくない、でも、もし生まれ変わったら、また旦那様達の傍に来てもいいですか?』

「もちろんだよ。私達はみんなお前の事を愛しているよ、そんな事は私達から許可を取る必要などないんだ」


頑張れ私…頑張れ魔力………。


『きっと私が生まれ変わったら、それは私じゃないと思います。その辺に咲いている花かもしれないし、空を飛び回っている鳥かもしれない。でも、必ず帰ってきます。旦那様、奥様、本当にありがとうございました、私も皆の事を愛しています』


そう言い、ミシェルはこれが最後と言うように、私を振り向きこう言った。


『エレオノーラ、奥様や旦那様や皆の事は任せたからね!絶対に守ってあげて!!』


そう言い、静かに消えて行った…………。

言い逃げかい!!!

まあいいけどね、私も協力するって約束したし、後はミシェルが化けて出ないよう、しっかりとやり遂げるよ。

でも本当に行っちゃったんだな……寂しいな………。


「バイバイ、ミシェル……」


もう返ってくる返事は無いけれど……。




でも疲れたぁ、魔力切れ寸前だ~。

そうして椅子にへたばっていると、通信用の魔石が私を呼びました。


「は~い」

『エレオノーラ、良かった大丈夫なの?』


相手はどうやら母様です。


「何がですかぁ」

『急にあなたの気配が薄くなったから、心配になったのよ』

「あー、ちょっと今魔力を使い過ぎちゃったから、そのせいですね」

『何か有ったの!?』


そうだ、母様には言っておかなくちゃ。


「たった今、ミシェルが旅立ったよ」

『………そう』

「うん、彼女とても嬉しそうで、幸せそうだった。きっとまたすぐ会えるような気がする」

『そうね、今度帰ったら詳しい話をしてね』

「分かった」


そして通信を切った。

そう言えばこの魔石、魔力を使ってやる奴だ、疲れたよ~。



まだ詳しい話はするべきじゃないと判断した私は、何の説明もしないまま、この男爵様の屋敷に二・三日、厄介になる事にした。

だって疲れたし、もう少し話もしたいから。


私は客間に案内され一息つく。

本当はミシェルの部屋に泊まってみたかったけれど、きっと他のメイドさんと相部屋だと思って遠慮した。

でももう限界、既に時刻は真夜中だ。

でもミシェルが逝く前に会わせてあげられてよかった。

いや、これが切っ掛けで逝っちゃったのか?

まあいいか、とにかく寝よ。




おはようございます!(もう昼だよ)

一晩(だからもう昼だって)よく寝てスッキリしたエレオノーラです。

ぐっすり寝たせいか、魔力チャージも満タンの元気です!(タフだな)

取りあえず身づくろいをしましょう。


「エレオノーラ様、よろしいでしょうか?」


その声にどうぞと答え、振り返ればそこにはロザリーさんが立っていました。


「お目覚めの様子だったので、お水とタオルを持ってまいりました」


きっと洗顔用に、気を利かせて持って来てくれたのだろう。

せっかくだから頂戴しますと、そのボールで顔を洗っていると、傍で控えていらロザリーさんが口を開く。


「ミシェルの事、奥様から聞きました。エレオノーラ様、どうもありがとうございました」


そうか、元気が無さそうだったのは、既にミシェルの事を聞いたからだったんだね。


「でも最後にミシェルは、また此処に生まれ変わって来るって言っていたから、きっとまた会えるよ」

「そうですね…また会えますよね」


うん、でもこうして見ると、ミシェルって皆に好かれる良い子だったんだろうな。

私には、けっこう我儘言っていたけれど……。

そういやミシェルに頼まれた事も有ったなぁ。

すぐに帰れる程に、体は全回復してたけれど、やる事が出来たから、暫くここに厄介になろう。

取り敢えずは、お腹が減ったぞ!


========



なぜだ……。

ミシェルの件が片付いたら終わるはずだったのに……。

これはあれだな、ミシェルが言い残した言葉のせいと、母様の所に行かなけりゃ、後が怖いせいだな。

つまりあの二人のせいだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ