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ラスボス

「もしかして、皆は分かっていたんじゃないのか!」


なんちゃって討論会も終盤に差し掛かり、ようやくルンデンさんが気付き始めたようです。


「大体にして殆ど私とジャクリーン様との話じゃないか。こんな話に君が加わらず、ただ傍観しているだけなんておかしすぎる!」


そう言い、ビシッとシュカルフ様を指さしました。

こらこら、人を指さしちゃダメってお母さんに言われませんでしたか?


「おかしな事を言う。私達の聞きたい事を君が率先して聞いてくれているから、あえて言う必要が無かったただけだよ」

「嘘だ!大方僕だけ部外者で、君達はそれを利用していたんだ!」

「まあ確かに私達はエレオノーラ様と面識があるが、だからと言って君を軽んじた覚えはないよ」

「嘘だ!!……いいんだ、どうせ僕なんて君の遊び道具に過ぎないんだ。きっと君は全てわかっていて、何も知らない僕の事を、心の中で笑っていたんだ!」


いつも君はそうだ、とか言っていじけているルンデンさんが可哀そうです。

分ります!自分一人が誰かの手のひらの上で、何も知らず転がっているのって、悔しくて、空しくて、でもどうにもならないんですよね!


「エドガー、確かに君だけにジャクリーン様の相手をさせてしまったな。すまなかった。だが私達やジャクリーン様達にも”建前が”必要なのだよ。それには、少し調べればガルディア家と付き合いがあると分かってしまう私達より、付き合いの無い君が必要だったんだ」

「必要?私が必要だからだったのか?」


ルンデンさん、そう言われたとたんに顔をほころばせ、喜んでいるご様子ですが、だまされちゃぁダメですよ。


「だからもし、王家からの魔の手が迫った時、君には私達の援護射撃をしてほしい」


つまりですね、もし王家の方で、君達は元々事実を知っていて、王家を欺いていたんだろうと言われたなら、ルンデンさんが”違います、彼たちはあの時に私と共に初めてその事を知ったのです!”と証言してくれと言う事ですか。

酷くありません?

それでもルンデンさんは嬉しそうに”任せてくれ”と言っているので、あえて私はその気持ちを失墜させる事はしませんが。




「私達の事は、分かっていただけましたね。娘はあれ以来病弱となり、姿もあのように(オヨヨヨ……)本人がアレクシス様と結婚したくないと言う気持ちも有り、私達は娘を王家に輿入れさせる事が出来ないのです。しかし娘の生存が分かった時、あちらには娘が死んでも諦め切れない人もいますし、婚約者と言う立場を盾に取り、再び結婚を迫って来る事も考えられます。ですが我が家としても、断固として戦う所存でおりますので、ご容赦下さい」

「しかし、こう言っては失礼にあたりますが……、王室に入った方が、エレオノーラ様は手厚い看護が受けられるのでは?」


初対面の伯爵様に”様”を付けられちゃいました~。


「ご心配いただきありがとうございます。そちらの方はどうぞご心配なく。私自身の封印も解きましたから」


多分その意味が分かったと思われる人が、動揺を隠し切れないようで、青くなりいきなり椅子から立ち上がったり、目を見開き母様を見つめたり。

その様子を不思議そうに眺める人がいたり。

二極性に分れ、それぞれの思考力の違いが分かって面白いですね。


「まあ、そのように動揺しなくとも、私自身、常識を備えていますので恐れる事は有りません」


母様独自の基準ですね………。


「そうそう、加えて伝えておきますが、エレオノーラは”ディア・アレルヤ”であり、先日その封印を解きました」


皆さん母様以上の目を、なぜ私に向けるのですか?

私だって母様と同じく常識は持っていますよ?


「そ…れは、神似者が二人も……」

「この国の頂点は決定したと言う事ですね……」

「いや、世界……だろう」

「頂点って、王家の事ですよね?それがいかにもあの家が……」


そう言い、ルンデンさんがちらりとこちらを見る。

そうですよね、一体何を言っているのでしょう。

やはりルンデンさんとは気が合いそうです。


「あれはお飾……象徴であり、その裏で真に国を動かすのはまた別………」

「申し訳ございません、家族が大変ご迷惑をおかけします」


イカルス兄様がすごく恐縮するようにシュカルフ様に頭を下げてます。


「あぁ!あちらより力の勝るこちらの方が、真のボス、ラスボスなんですね」


ルンデンさん鋭い!って、母様、ラスボス認定来ちゃいましたよ。

どうするんですか?


「と、言う訳で、こちらは全力でこの婚約を阻止する構えです。もし何かしらのアドバイス(異論)が有れば、私どもが直談判に行く前に教えてください」

「一つ質問をお許しいただけますか?ご実家で在られるエクステッド侯爵様の方は、如何なさるおつもりでしょうか」

「取りあえず放置…ですわね。見捨てたとはいえ一応血は繋がっていますから慈悲は有ります。あちらにそれなりの実力が有ればよし、さもなければいずれ衰退するでしょう」

「御意」


固い!空気が固すぎます!なぜこうなった!

でも父様は変わらず、とても暖かい目で母様を見つめています。

私も結婚するなら、父様みたいな人がいいなぁ。


大体の日程と報告が終わったので、会議はお開きになりました。

皆さん明日もお仕事が有りますものね。

随分とヘロヘロに見えますが、大丈夫ですか?

そう思い、皆様に私特製のお茶を入れて差し上げました。

ずいぶんと驚いているようでしたが、我が家にとって、母様直伝の普通のお茶です。



「エレオノーラ様、少々お時間をいただいてもかまいませんでしょうか」


シリアスモードの隊長です。

今度は何ごっこですか?

すると隊長は私の前で片膝をつき、騎士の礼を取る。


「敬愛するエレオノーラ様、もしあなたが許されるなら、私はこの先、生涯を掛け、あなたにお仕えする事を誓いたい」


え~?この場合なんと返せば正解なんだろう。


「……許す?」

「有りがたき幸せでございます」

「って、隊長、いつまでもそんな恰好してないで下さい」


そう言い、隊長の手を引っぱる。


「でも隊長、今の凄くかっこよかったですよ。さすがミラ姉様です」


ぎゅっッと隊長に抱き着いて、スリスリしてしまいました。

うん、役得。


「エ…ルちゃん…エルちゃん可愛い!!」


はい、通常通りの隊長に戻りましたね、良かった。

でもその横で複雑そうな顔をしているシャインブルクさん。

一体どうしたんですか?

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