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漆黒の鎌と純白の槍  作者: Яyo
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思いとループ

俺がトラックに気づいたのはぶつかる直前だった。

迫るトラックを見て自分の死を悟った。しかし俺の頭は死を拒んでいるのか、まるで時が止まっているかのように思考は加速した。

そしてそれは強い思いへと変わった。

『死にたくない。死にたくない。死にたくない。』

そして俺は意識が無くなった。





.......

「.......きて。翔くん起きて!」

由希が呼んでいる。そして俺は、はっと目が覚めた。

「ゆ、由希?お前、由希なのか?」

「翔くん寝ぼけてるの?由希だよ。由希。野中由希で~す。」

俺は頭の中が追いつかなかった。

『俺は確か昨日トラックに.......。じゃあ目の前に見えている由希はなんなんだ?』

そんなことを考えていると朝食が昨日と全く同じメニューであることに気づいた。由希は絶対に連続で同じ朝食を作らないのだ。

「由希。今日は何月何日だ?」

「んーと。今日は9月28日だね。」

その言葉を聞いてようやく俺は自分が二度目の9月28日を体験していることに気がついた。



俺は今自分が置かれている状況が全く理解出来ないまま家を出た。昨日と同じ道。同じ人を見ながら俺は大学へと向かっていった。


大学に着くと昨日と全く同じ言葉で裕翔が俺を呼び、全く同じ先生の全く同じ講義を受けた。そして今日の講義は全て終わった。



俺は昨日と同じ道を歩き、悩んでいた。どうしても自分はもう一度死ぬのか否かということが気になった。

「やっぱこの流れだと死ぬのかな。その先はどうなんだろ。また9月28を体験するのか?」

などと一人で呟きながら歩いていると、俺は目の前に立っている明らかに他とは違うオーラを放つ二人の少女に気がついた。どうやら二人に気づいているのは俺だけのようで周りの人々はその存在に気づけていないようだった。



二人の少女は俺と目が合うと、なにも話すことなく走り出し、人気のない脇道に入って行った。俺は直感的に追いかけるべきだと思い、迷うことなく不思議な少女二人を追いかけるように脇道にはいった。


しばらく一本道の狭い道を歩いているとようやく光が差し込んでくるのがわかった。眩い光から目を隠すようにして進んでいくとようやく開けた場所に出た。




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