表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/111

第74話 「一大イベント」

本日2話目です!

 九月に入ると学校生活においての大きなイベントの準備が始まる。

 ロングホームルームの時間、黒板の前には宇藤さんの姿があった。

 

「それではこれより……学園祭の出し物を決めるぞおおお!!」

「イエエイ!!」

 

 音頭をとるように宇藤さんが叫ぶとクラス中が大騒ぎだった。そう、来月に学園祭が控えているんだ。今日のロングホームルームはそのための出し物決めを行うとのことだった。

 学園祭かあ。去年のクラスではミニドーナツを売ったなあ。今年は何になるんだろう。

 犬飼さん含めクラスの中心的な人達が次々と意見を出していく。当然僕もその中に入る――――わけがなくただただ見ているだけだった。もっとも特にやりたいものも思い浮かばないし、そもそも発言できるほどの勇気もないんだけど。

 

 そうして案がいくつも出てきて残り五分になった頃、ついに今年のクラスの出し物が決定した。

 

「え~ということで今年の六組の出し物は~!」

 

 大きく息を吸い間を溜める。

 

「男装女装喫茶に決定だあああ!」

 

 教室から歓声が飛ぶ。男装女装喫茶……僕にはまったくイメージが沸かないや。でもまあ僕は精々裏方仕事がメインでさすがに接客にはならないよね。第一女装なんて似合うか分からないし……。僕よりかっこいい顔の人達は他にもいるしね。

 

「じゃあ明日のホームルームでは役割分担しよう!」

 

 男装女装喫茶か……どんなものになるんだろう……。

 

 

 

 その日の帰り道、蓮ちゃんと一緒に下校している時の話題は当然学園祭だった。

 

「男装女装喫茶か~。面白そうだね」

「う~ん、どんな風になるのか全くイメージが沸かないんだよね」

「いっくんも女装するの?」

「ま、まさか!」

 

 女装だなんて僕には……。逆に蓮ちゃんの男装は凄く似合うような気もするな。犬飼さんの男装もかっこよくなると思うし、先輩もあれだけ綺麗な顔立ちだから絶対似合うよね。

 

「それで、蓮ちゃんのクラスは何をするの?」

「ボクのクラスはホットドッグを売るんだ」

「ホットドッグか~」

「うん! 食べに来てよ!」

 

 ホットドッグか、絶対食べにいかなきゃ。

 

「じゃあね」

「うん!」

 

 蓮ちゃんと別れて一人で帰り道を歩く。

 そういえば先輩のクラスは何をするんだろう。三年生だから今年が最後の学園祭なんだよね。学校生活の思い出は一生残るものとよく言うし、ましてや最後なんだもの。何をするにせよ楽しんでもらいたいし、もし良ければ僕もお邪魔してみたいなあ……なんて。

 

 








 

「そ、そうですか……」

「ああ。どうする?」

「やります……やります!」

「おし、分かった」

「はい!」

 

 息を落ち着かせる。

 これでいいんだ。自分で決めたことなんだから。後悔なんてするはずもない。

 

 本心では自信を持ってそう言えないことにこの時の私は封をしていた。これが正解なんだ、これしかないんだと強く自分に言い聞かせて。

閲覧ありがとうございます!


連続投稿してるくせに言うのも何ですが、そろそろ投稿頻度下がると思います。いつも漫喫で執筆してるのですが、休業要請が出てしまったので。そうでなくともやはりこの状況では漫画喫茶は危ないですしね。

ところで学園祭編に入りましたが誰がメインになるか……多分分かりましたよね?


思ったこと、要望等があれば感想いただけるとすごくありがたいです。

感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です!

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ