4話 初デート
「うん、これで良しと」
鏡の前で今日のコーデを確認し、
後ろも変な所がないか確認をしていると、
ハロルドが部屋に入って来ました。
「シェリー。行くぞー」
私は驚き、ハロルドの方に視線を向けました。
「ちょっ、ちょっとハロルド! 着替え中だったどうするのよ!」
「あーすまん。着替えに時間が掛かっていたから心配したんだ」
んーどうやら悪気は無さそうですね。
でも、義足にも慣れて来たのではっきりと言いました。
「もー心配性ねー。大丈夫だわ。それよりも何か私に言う事が無いかしら?」
そう、折角女性らしいロングワンピースを着ていますのに可愛いの一言もない。
それって男性としてどうなの?と思っていると、
ハロルドが察したのか褒めてくれました。
「あー凄く綺麗だぞ、シェリー。とても可愛いさ」
直球に言われたので、恥ずかしくなりました。
「あ、ありがと・・・」
気まずい雰囲気になったので、私はハロルドの手を握って部屋を出ました。
「そ、それよりも早く行くわよ! 今日は初デートなんだからね!」
「凄く気合いが入ってるね」
「そんな事はないわ!」
そう、今日はハロルドと初のデートなので楽しみにしていました。
久し振りにお出掛けをするので、沢山遊びたいと思います。
◯
「わー! この服可愛いー!」
まず始めに向かった所は衣類屋です。
私、こう見えても服には目がないんですよ。
並んでいる服を漁っていると、ハロルドに声を掛けられました。
「俺はあっちの方を見てくるから、何かあったら言ってよ」
「うん。了解ー!」
色んな服を見て探っていると、とても可愛い服を見つけました。
「これ可愛い!」
手に取ったのはデニムワンピだ。
スカートのレースアップが際立ち、
清楚なシャツも付いているので女性らしい服ですね。
でもこの服を着るならロングブーツしか履けませんね・・・。
スカートの丈が短いのでパンプスやシューズ系を履くと、
義足が見えてしまいます。
いくら慣れたとはいえ、わざわざ義足が見える服を買わなくてもいいですからね。
せっかく可愛い服を見つけたのにな・・・。
服を戻そうとすると、ハロルドが顔を出して来ました。
「それがほしいのか? 買ってやるぞ」
本当はお言葉に甘えて買って貰おうと思いましたが、
「これだと、ロングブーツしか履けないからいらないわ」
と答えました。
何かを察したハロルドは近くにいた女性店員さんを呼びました。
「あっ、すいません。ちょっといいですか?」
「はい? 何でしょうか?」
「このスカートの部分の素材を付け加えて、ロングスカートに作り変えれたりします?」
「はい。お値段は高くなりますが、出来ますよ」
「それでも構わないよ、お願いします」
何をするかと思えば、ハロルドが服をカスタマイズしようと交渉していました。
自分の好みで注文をすると色んな事が出来ますが、
値段が倍にもなるのでした事がありませんでした。
なので、私はハロルドを止めました。
「ちょっとハロルド! そこまでしなくてもいいわよ。別の服を買うから・・・」
そう言いましたが、ハロルドに断られました。
「お金の事はきにしなくていいぞ、シェリー。
俺は君に好きな服を着せてあげたいだけだからね」
もーなんでそんなイケメンな行動が出来るのかしら?
私は微笑みながらお願いをすることにしました。
「ふふっ、それじゃあ、お言葉に甘えようかしら」
「ああ、思う存分に甘えてくれ」
ハロルドのおかげでとても素敵な服を買う事が出来ました。やったね!
カスタマイズされた服を受け取り、ハロルドが銀貨を二枚支払ってくれました。
普通なら銀貨一枚で買う事が出来ましたが、カスタマイズの手数料です。
本当に値段が倍になりますので驚きました。
衣類屋を後にした私達は歩きながら話し、次の目的地の為に相談しました。
「今度はどこに行こうか?」
「んーそうねー・・・雑貨屋さんかな」
「良し、じゃあ雑貨屋に行くか!」
「うん!」
私達のデートはまだ始まったばかりです!
今日は思う存分楽しもうと思います!
2話構成になりますので、次回もデート回です!