2話 シェリーの暇つぶし
「一人で平気か? シェリー」
ソファの上で寛いでいると、ハロルドに心配をされました。
「大丈夫よ、留守番くらいできるわ」
「本当か? もし脚が痛み出して倒れたら・・・」
大丈夫と言ってますが、ハロルドにめっちゃ心配されます。
んーまぁ優しいとも言いますが、私はハロルドに言いました。
「歩けない訳じゃないし大丈夫よ。
それに、貴方が仕事をしないとどうやって生活するのかしら?」
「むっ、それもそうだな・・・分かった。仕事に行ってくる」
「ええ、頼んだわよ」
ハロルドが渋々と仕事に行かれました。
本来なら私と同じく魔物退治をしたり、治安維持の為に悪者を捕まえて生活費を得てましたが、
私が騎士として活動できない常態なのに自分だけ楽しむ訳にはいかないと言い、
ちゃんとした仕事に就職したみたいです。
もう、本当に優しいんだからなー。
ソファの上で寛ぎながら珈琲を嗜んでいると、ある問題に直面しました。
それは何かと言いますと、物凄い暇です。
んー怪我をする前はひたすら魔物退治をしていたからなー。物凄い暇だわ。
飲み終わった珈琲のカップを片付ける為、
ぎこちない歩き方をしながらキッチンまで運びました。
はぁ、やっぱり義足にはまだ慣れないわ・・・。
ジーンズ越しに隠れている義足の脚を見て思いました。
これは一緒に生活をして正解だったかもしれません。色々と不便です。
珈琲のカップを洗い、片付けた後に再びソファの上に座りました。
何をしようかなー・・・昼寝?
んーそんなに眠くないしなー・・・何をするか考えていると、ある事を閃きました。
「あ、そうだわ。暇だから日記でも書こうかしら」
それが一番いいでしょう。
どうせ暇なんですから、小説を書くレベルで日記を書いてみよう。
思い付いた私はリビングを漁り、
新品の日記帳がありましたのでテーブルの上に置いて開き、
ペンを持って書き始めました。
【○月△日。今日は同棲生活をして3日目です。余りにも暇なので日記帳を書く羽目になりました。
まぁ、義足になれましたら家の掃除をしたり、料理をしたり彼女らしい事が出来ると思います】
「良し、今日はこの辺にしましょうか」
私は日記帳を閉じて暇を持て余し、一人でチェスやらオセロをしました。
うん、1時間もしないで飽きました。
あーハロルド早く帰って来ないかなー。
しかし、昼時になったのでサンドイッチを作り、テーブルの席に座って食べました。
うん、レタスとトマトとハムだけでもシンプルに美味しいですね。
「ごちそうさまです」
プレートを片付けて洗い、お腹いっぱいになったので昼寝をする事にしました。
はぁー・・・義足に慣れるまで一週間安静にしてなさいと言われましたが、
これは暇すぎて逆にしにそうです。
暇ーーー!!!
夜になるとハロルドが帰って来てくれたので、凄く嬉しかったです。