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正体
半ば強引に女を引き剥がし、俺は再び町を歩き始めた。
数分歩いただけだがなんとなくこの町の事がわかってきた。
貧困、治安が悪い、施設配置に問題あり、少子高齢化、過疎化、等々沢山の問題をお抱えの様だ。
先ほど地図を見たところこの町はこの国で一番大きいらしい。この国の国王は何をしているんだろうか。
興味は更々無いが。
「ちょっと!!待ちなさいってのが聞こえないの!?」
「ああ聞こえないな、だから早く何処かに行ってくれ。」
「聞こえてるじゃない!!」
またこの女だ、一体何の用だろうか。先ほどから付き纏われてうんざりしているんだが。
「あなた一体何者なの!?」
そんなことを聞きたいがためにここまで追いかけてきたらしい、本当にご苦労な事だ。
「見たまんまだ、人間以外の答えは無い。」
「ただの人間があんなに早く下級魔族を倒せるわけないでしょう!?」
俺がこの女を助ける為に倒した異種族は下級魔族と呼ばれる種族だったらしい。
「知るかそんなもん、そもそもその魔族とやらを人間が倒せたらいけないのか?魔族だろうが何だろうが俺としてはどうだっていいんだよ、わかったらそこを退け。」