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シュランブルード 待ち人

医師の診察に礼を言い、エミリアに少女を任せ執務室に移動しウィンドゥワークスと相談する。


「彼女が渡り人なら、あんな所で倒れていたのはおかしい。何か神殿で問題が起きているはずだ」


「神殿と国王に手紙で問い合わせるべきではないかと」


「そうだな。直ぐに手紙を書こう。悪いがマシューに王都に届けて貰おう。準備を頼んでくれ」


「かしこまりました」


ウィンドゥワークスが退室すると、彼女を保護した状況を手紙に記し、同じ文章の手紙を二通用意する。

ノックの後にマシューが手紙を受け取りに来た。


「急で申し訳ないが王宮と神殿に一通づつ届けて、状こちらの況説明と今後の指示を貰って来て欲しい」


「かしこまりました。直ぐに出発致します」


「頼んだぞ」






エミリアに少女の看病を頼む。

直ぐに目を覚ますかと思ったが一日経っても眠ったままだ。

心配で執務の合間に時々のぞきに行くが、一向に目を覚まさない。

呼吸は落ち着いていて、本当に眠っているだけのようだ。

真っ黒な髪に黒い長いまつげ、気を失う前に一瞬見た黒い瞳、この国では見ない組み合わせだ。


俺も渡り人は今まで見たことがない。本当に稀有な存在で百年に一人召喚されるかどうかだ。

何故、そんな渡り人が倒れていたのか。

マシューの帰りが待ち遠しい。

王都までは、馬車で三日程掛かるが、馬に騎乗して行ったので半分位の日数で手紙を届ける事が出来るだろう。




出発から四日後、マシューが返事を持ち帰ってきた。

国王直々の手紙と、神殿からの二通だ。


国王からは、このまま少女を秘密裏に保護する様にとの指示。

神殿からは、渡り人の召喚をしたが失敗して現れ無かった事、しかし、召喚魔法はきちんと発動した事。その後調査中なので、報告に訪れるまで少女を頼むと書かれていた。


少女に一体何が起こったのだろう。

少女はまだ目覚めない。

一日に何度も様子を見に行くが、その度にエミリアから心配そうな顔で変化がない事を報告される。




少女を保護して七日後。

朝食を食べて、さて少女の様子を見に行こうかと食堂のドアを開けたところにエミリアが駆け込んできた。


「シュランブルード様、気が付きました!

でも、言葉が通じないんです!」





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