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お客様

次に目が覚めたとき、やはりエミリアが部屋に居て、体を起こしてくれスープをゆっくり飲ませてくれた。


相変わらず言葉は通じず状況も解らないが、エミリアは毎日部屋にいて甲斐甲斐しくお世話してくれるし、シューも毎日顔を出してくれる。


お医者さんも毎日往診してくれ、至れり尽くせりでなんだか申し訳ない。


初日に目覚めた時、体の痛みは無くなっていたけど相変わらず力は入らず、部屋の中を歩けるようになるまでに半月も掛かってしまった。


半月の間にエミリアとは仲良くなった。


言葉は通じなくても、エミリアは二十歳位の年齢に見え親しみやすくお姉さんみたいだし、凄く優しくて気が利く。


ベッドに座れる位に回復すると、暇を持て余した私に刺繍を教えてくれたり、絵本を持ってきてくれたりした。


シューも顔を出すたびに、部屋に飾る花やお菓子を持ってきてくれたり気にかけてくれる。




毎日お昼ご飯を食べた後いつもならエミリアと刺繍をする。


しかし、その日は髪を整え可愛いワンピースを着せられた。

身だしなみが整うとシューが部屋に迎えに来てくれた。


保護されてから初めて部屋を出る。


きょろきょろしながらシューに手を引かれ階段を降りる。


一階の応接室に着くと沢山のクッションが置かれたソファに座らせてくれた。

シューも隣に座る。


ノックの後に、執事の格好をしたお爺さんと、真っ白な髪に青い目をした物凄い美少女が入って来た。


美少女は、シューと私に優雅に一礼し、向かいのソファーに座る。


「こんにちは」


保護されて初めて聞く日本語にびっくりする。だって美少女の外見は明らかに外国人だし。


「こんにちは、あの、私林田理乃って言います」


「わたくしはミノンとお呼び下さい。

リノさん、今まで言葉が通じずご不便をおかけしました」


「何故ミノンさんが謝るのですか?」


「それはわたくしが神の巫女で、神の代弁者だからです。まずは、他の人にも言葉が通じる様にしましょうね」


そう言ってミノンさんは私の前まで来た。

私のおでこにミノンさんの左手が触れる。

思わず目を閉じるとお日様の様な暖かさを感じた。


「終わりましたよ」


「えっ?これだけ?」


「そうです。シュランブルード様、リノさんの言葉が解りますか?」


「解ります。リノ体調は大丈夫かな?今まで言葉が通じず心細かっただろう?」


そう言ってシューは私の手を握ってくれた。


一話一話が短くてすみません。


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