表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しろがねの翼  作者: 夢屋満月堂
interlude
5/36

04:幕間

 あっ、エル。あの変わった塔は何ですか?


 伝令塔。転送陣の応用で音声や文字をやりとりする施設があって、あれはその中継点。


 へぇ。今はそんな物があるんですね。

 あっ、ではあれは?!


 ただの物置小屋だよ。ったく少しは落ち着け。

 ……そういえば、あんたはどうやって物を見ているんだ? 石の癖に。


 石って言わないでください! これは世を忍ぶ仮の姿なんです!!


 はいはい。


 本当に分かってるんですか? もう!

 ともかく、視覚についてでしたね。

 今の僕はこの"容れ物"に精神を封じられた存在。

 ですが、貴女から力を貰えば封印を解いてここから出られるんですよ。 

 おかげで石から離れて物を見ることができます。音や臭いもちゃんと分かりますよ。


 ん? 私が力を分けているのか? 別に何もしていないんだが。


 無意識に漏れている力なので気が付かないのでしょうね。

 ですが本当に助かっています。感謝感激です!


 そうなのか……まあ助けになっていて何よりだ。

 扉なんかもすり抜けられるのか?


 うーん、試したことは無いですが、できるんじゃないでしょうか。


 そりゃ便利だ。


 ただ、すり抜けられると言ってもほんの少しの距離ですよ?

 所詮は精神体、大した力はありません。

 封印だって一時的に破っているだけで、貴女から離れた途端に囚われの身へ逆戻りですし。


 もしかしてそれで昨晩ずっと黙ってたのか。


 はい。いきなり真っ暗になって驚きましたよ。そのうち思考も途切れていって……。


 つまり、私の近くにいないと静かになる訳だな?


 ちょっと違いますけど、そんなところです。

 ……なんだか「いいこと聞いた」みたいな顔してませんかエル?


 そ、そんなことはないぞ。


 と・に・か・く! あんまり僕をその辺に放置しないでくださいね。

 せめて昼間はちゃんと持ち歩いてくださいよ!


 あーはいはい。わかったわかった。


 本当にわかってます?


 わかってるって。

 あんまりうるさいとその辺に置いてくぞ。


 !?


 ……。


 …………。


 ……………………。


 ………………………………。


 すまん、冗談だ。

 調子が狂うから普通に喋ってくれないか……?


 ぷはっ。どうか後生ですから置いていくのだけは勘弁してください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ