17:幕間
貴女、いつもそんな鬱陶しい格好をしてらっしゃるの?
見ているだけで暑苦しいですわ!
うるさいな。
顔を晒すと色々面倒なんだよ。
でも、ほんと暑そうですよね。
目と髪色くらい、魔術でいくらでも誤魔化せるでしょう?
ほら――って……嘘!?
あっ、眼の力が強すぎて術式を弾いちゃうんですね。
これまで試さなかった訳じゃないが、無理だったんだよ。
いいから放っといてくれ。
いえ、そこに直りなさい!
ふふふ……たかが眼の分際でわたくしの術を弾くとはいい度胸ですわ……!
あの、ルヴィエ……?
動かないで!
魔女の神髄を見せて差し上げます!
あー、何か気合いが入っちゃいましたね……。
ふぅ、これでよろしいでしょう。
"魔法"の力を思い知りまして?
わたくしはその辺の凡百の術師と違いましてよ。
…………そんなに気合いを入れてくれなくて良かったんだが。
黒髪に黒目ですか。
結構印象が変わりますね。
元の色も素敵ですけれど、こちらも良く似合っていますよ。
ほら、もうその暑苦しい外套は要りませんでしょう?
さっさと外しなさい!
ちょ、ま、待って。
早くしないと燃やしますわよ?
――っ!?
わ、わかったから勘弁してくれ!
…………。
エル、そんな隅っこの方にいないで。
堂々としましょうよ、堂々と!
……落ち着かないんだ。
もー、普通にしてて大丈夫ですってば。
道の真ん中歩きましょうよ。
…………うるさい。
あっ、貴女って実は恥ずかしがり屋さんなんですか!?
意外ですねー。
……………………………………………………捨てられたいのか?
えっ、ちょっ、待っ――
――すみません、すみませんでしたから!
ち、ちょっと、やめてー!?