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しろがねの翼  作者: 夢屋満月堂
prologue
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00:銀翼の伝承歌

 天地を駆けるしろがねの翼

 巡る命を見守りたもう。


 病めるものには癒やしのわざを。

 惑うものには導きを。

 優しき御手は舞い降りて

 あまねく全てを包みたもう。


 けれど翼はうしなわれ

 光はかげり地は腐りぬ。

 空の色さえおおいに褪せて

 ひとびとも世も乱れゆくばかり。


 翼よ翼。しろがねの翼。

 隠れたもう御身は

 はたして今いずこにありや。





 ――「シルヴェスティア詩歌集」より抜粋。

   上記はマラカ地方の伝承歌だが、表現や節回しの似た歌は各地で散見される。


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