EP.1 なんか転生しました。
荒い息をしながら倉庫の裏へまわる。
腹を見ると、赤黒く染まっていた。さっき、撃たれてしまったのだ。
路地の奥に倒れ込む。もう、限界だ。
きっと、死ぬのだろう。
なんだか、あっけないな。
「あいつらは…無事だろうか」
きっと、無事なのだろう。
不意に、白いものが手に落ちてくる。
雪…か…ああ、綺麗だ。
綺麗だなぁ…もし、あの世があるならば…
のんびり…過ごすのもいいかもな…
争いなどない…平和な世界で。
ああ、それがいい…それが…
そこには、あいつらも…いるのだろうか…
眠いな…ずいぶん眠い。
……
『これ!起きろ!起きるんじゃ!』
誰だ?ずいぶんうるさいなぁ…
俺は死んだんだよ。ほっといてくれ。
『うるさいとはなんじゃ!キサマ、不敬じゃぞ!』
ああ?うるせーっての。
………………ん?
今、心を読んだ?
『そう、妾はそなたの心を読んだのじゃ』
意識が覚醒する。視界が一気に開く。
ここはどこだ?ずいぶん白い部屋だな。
『ふむ?白い部屋に見えるかね…ほう、面白いのぉ』
誰だよてめー。こっちは死んでんだよ。何も面白くねーよ。
『妾か?わしは…神じゃ。』
は?何言ってんのこいつ。
ああ、わかった。自分を神だと思っているヤバい人なのか。
なら、優しく追い返してやろう。
「はいはい、神様ですねー。お家に帰りましょうね、お姉さん。」
『自称神じゃなくて、本物の神じゃ!』
「はぁ?なわけないだろ。神なんかあの世とか、悪魔とか、魔法とかと同じで、空想上のものなんだから。」
『本当じゃ。現にそなたはあの世にいるじゃろう。』
うぬ……ああ言えばこう言うな。この人は。
「てか、やっぱあの世なのか。ここ。」
『うむ‥あんまり驚かんの。お前。』
「まあ、撃たれた傷とか、血とかがないし。」
痛みもないし。
『ふむ‥ずいぶん冷静で状況把握能力が高いの。』
「鍛えただけだ。」
組織では必要だったからな。
『ふむ、無駄話はここまでにしておいて、本題に入るかの。それでいいかね?神崎涼君?』
「俺の名前…いや、どうせ神パワーで知ってんだろうな。」
『話が早くて助かるぞ。では、妾は神じゃ。』
「さっき聞いた。」
『話の腰を折るんじゃない。ゴホンッ…妾はこの世界達を作った存在じゃ。』
「この世界…達?他にもあるのか?」
『ああ。全部で125個の世界がある。』
「それで?」
『これらすべてはわしと、妾の手下の神達が管理しておる。』
「ほうほう。」
『それでじゃな、管理していると言ったって、神達の数は妾を入れたって100にもならん。』
「おい」
『ん?なんじゃ?』
「本題が見えてこないんだが?」
『まぁ、待て。順に説明してやるから。』
「おう…」
『それでじゃな…そのうちの一つの世界をそなたに管理してほしいのだ。』
「つまり?」
『つまりじゃな…』
『魔王になってくれないか?』「嫌だけど。」
即答。
『え?』「え?」
『え??』
「いや、のんびりあの世で暮らそうと決めちゃったから。」
『え?何を言っておる?あの世になど滞在できないぞ。』
「え?」『え?』
「滞在できないの?」
『あのね、あの世はね、あくまで中間地点なのよ。』
「中間地点?」
『原則として、死んだ魂は輪廻の輪に戻らなければならないの。』
「輪廻の輪?なにそれ。」
『輪廻の輪はねー』
ピピピ ピピピ ピピピ
「ん?」『あっ、インスタントラーメンができた!』
『じゃあそういうことで魔王頑張って!』
「えっちょっとm」
稲妻のような音が鳴る。
「うん?ここは…山の中なの…か?」
ガサッ
「うん?手紙…だな。これ。読んでみるか。」
『リョウ=カンザキへ』
「リョウ=カンザキじゃなくて神崎涼なんだけど‥」
『きっと、そなたは、「リョウ=カンザキじゃなくて神崎涼なんだけど」とか文句言っているだろう。
そんな未来が見えたので、先に説明しておくと、この世界では、名を表すときに、名前が先、≠を挟んで苗字
が後なので覚えておくように。
さて、転生するにあたって、あなたに話しておくべきことが4つほどある。』
「多いな‥」
『一つ目に、スキルのことについてである。妾が其方に与えたスキルは二つ。[殺奪]
と[魔王術]。
まず、[殺奪]は、この世界であなたのみが持っている、特殊固有スキルです。
効果は殺した相手のスキルやアーツなどを奪うことができます。
次に、[魔王術]について。
職業:魔王を持っているものが使える術なのだけど、少し特殊ね。あなたのこれからの行動によって新たな魔法を手に入れることができるわ。
二つ目に世界について。あなたが降り立った世界は、魔法や固有の武器を持ったときに使える、アーツと呼ばれる能力がある世界よ。悪魔もいるしね。』
「スキルとかなんとか言い出した時から、薄々思っていたが、やっぱファンタジーの世界なのか。ここ。」
『この世界にはあなたの他に9人の魔王と、それと対をなす勇者が10人いる。他にも英雄と呼ばれる存在が15人いるわ。そのうちの勇者と英雄は敵確定、魔王は‥あなた次第。』
「って事は…現在敵が25+n人いるわけか…」
『ちなみにだけど、この世界には冒険者ー君の元の世界で言う警察とか自衛隊みたいなもの…国に認められているのだからそんなものよねーを統制する“ギルド“というものがあるのだけど、そのメンバーは2500万人以上いるから、ギルドに恨まれた場合は、魔王全員が敵になるよりももっと大変なことになるかも。』
最後に、あなたにやってほしいことなんだけど、人生を楽しんで欲しいの。その理由なんだけど、転生者が多すぎて、あなたがまたすぐ死んだら仕事が増えちゃうのよねぇ。』
「増えちゃうのよねぇ。じゃねーよ。口調も変わっているし、色々雑な人なんだな。」
『あと、単純に、転生して魔王になった君が、どう生きるのか気になるのもあるケド。』
「ソウスカ。」
『爆美女少女創造神より。』
情報量が多すぎて混乱してんだけど‥スキルを見るか‥
ーーー
リョウ は[獄魔術]
【黒槍】
【黒槍壁】
【黒き異空間収納】
[全属性魔法]
【火炎球】
【風刃球】
【雷光球】
【暗黒球】を覚えた!
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名前 リョウ=カンザキ
種族 魔族 Lv1
職業 魔王 Lv1
スキル
[魔王術] Lv1
[殺奪] Lv1
[獄魔術]Lv1
[全属性魔法]Lv1
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すごいことが起きている。これは[魔王術]を所持していることによる影響だろうな。
どうやら[魔王術]では魔法の初期スキルを手に入れることができるみたいだ。[獄魔術]っていうのも手に入れることができるみたいだ。
さて、まずは街に降りるところから始めようか。どんな街だろうか。
ちなみに転生前の内容を1300字ほど削っています。




