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第10章第4節 分裂
1900年までに帝国の版図は維持されつつも、小国が乱立する状況となる。各国王は皇帝の権威のもとに集まっており、それが帝国を帝国たらしめる要因の一つとなる。しかしながら、分裂していくのは仕方がないことという流れになり、小国はそれぞれ、特に辺境の部族から帝国へと反旗を翻し、独立を行う。2000年までに帝国のうち3分の2は独立、あるいは事実上の独立の状態となり、残り3分の1も、政情は不安定となる。
これまでの間に、皇帝の権威は落ちているが、なくなりはしない。それは、神との契約のたまものであり、侍従長、最高神官についても、同様に血脈はずっと続く。これは、帝国が名ばかりとなり、それでも帝国だという証となるためのものである。国土が削られようが、やはり帝国としては2000年過ぎていても帝政を保つ。それは、これ以外を知らないということもあるが、それ以上に国民がそれを望んでいるということがある。