第9章第6節 そして今へ
第9章最後となるのは、平たく言えば、それからこれまでの話となる。大まかには学校において授業で習っているだろうから、ここでは大まかな概略のみを記すこととする。
3つの大陸は、他の大陸からの侵攻に日夜脅かされていた。だが、それについては帝国歴380年に結ばれた帝国との条約により、他の地域との相互不可侵が約された。これは、圧倒的な軍を保有しているエルハンドラ帝国が、他国へと侵攻をしないようにするという役割の方が強かった。とにもかくにも、これによってエルハンドラ帝国が内部の治安維持へと集中することができるようになったことは大きく、現在の帝国歴1500年に至るまで、互いに衝突するような対外戦争は起きていない。
初代から二代目への代替わりが先例となり、以後今までの全てにおいては皇帝、最高神官、侍従長全員がその血統により継続して代を重ねていくことになる。
帝国歴821年に現在の区ー基礎公共団体ー市町村の3階層が成り立った。また、区は大陸に属し、それぞれ議会が置かれた。この時に、現在の爵位制度に移行し、各族長は公爵となり最高の爵位を受け、皇帝は常に最上となり、最高神官、侍従長はその直下と位置付けられた。爵位制度はそのまま議会の構成にも影響を与え、これによって勅撰議員が生まれることとなる。
帝国歴1000年に入るころには、すでに現在の状況と似通っており、爵位者は数万人となっていた。この爵位は個人に与えられるものの人爵とともに、土地に付随する地爵の2つに分けられることとなる。人爵は地爵よりも下位に位置付けられることとなり、そして、現在へと受け継がれることとなった。