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第9章第3節第7款 葬儀
そして、ジルサンデルの葬儀が行われた。国中の鐘という鐘、鈴という鈴が打ち鳴らされ、全ての民衆が泣いた。
これほどの葬儀は前例がなく、またこれを前例としてこれからの葬儀は行われている。
魂は離れていても、肉体は残っており、この肉体を祀るための廟が建てられた。
初治国王廟と呼ばれているもので、首都にある廟を頂点とする宗教施設とされている。
また、皇帝によって手厚く保護されており、帝国全土に網目のように置かれている。
少なくとも、遺徳を知らしめるという役割は果たしているのは間違いない。
なお、葬儀の話は、どの話も詳しくはされていない。それは、秘密だというのと同時に、あまりの悲しみによって書けなかったという話もある。
真実は、今となっては謎だ。