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第9章第3節第5款 病魔
結婚してから10年が経った。子供も複数生まれており、系図としては現在の貴族のうち、上級貴族と称される方々の祖先となられる方々である。この方々を中心として、現在の帝国は成り立っている。が、このことは本筋ではないために、ここでは割愛する。
宮殿の中で、ジルサンデルは、急に胸を押さえて苦しみだす。それを見ていた全員が一斉に駆け寄り、残り二人を呼び寄せる。すなわち、イカムルードとスワキサルザの二人である。
現在では、異説も含めて考えるに、心筋梗塞であるとされている。この時点では急激な胸の痛みがしばらく続いて、それが急に収まったという。このことからも、不安定狭心症であった可能性が高いだろう。