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第9章第3節第3款 相談
イカムルードが悩んでいると、ジルサンデルが歩いてきた。
ジルサンデルは、
「どうしたのだ、イカムルード」
イカムルードは、
「ああ、ジルサンデル。実は……」
イカムルードは、先ほどの神との会話を話す。
ジルサンデルは、
「そろそろ、我々も神と同一される時が来ているのであろう。だが、それまでにやり残したこともある」
イカムルードは、
「それはなんだ」
ジルサンデルは、
「我々は、神の子孫であるが、人の祖先とならなければならない」
イカムルードは、
「妻がいるな」
ジルサンデルは、
「そうだな。ただスワキサルザの承認がいるだろう」
スワキサルザはこの場にいなかった。
それゆえに、ジルサンデルは一致した見解を求めたのだろう。
これ以来、国の頂点にいる三職である、エルハンドラ帝国皇帝、エルハンドラ帝国皇帝付き侍従長、エルハンドラ帝国最高神官の三者の同意なくして、国は行政を執行してはならないとされた。