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第8章第3節第3款 使者
当時のキャッタ族は、族長の下に、それぞれの生存地域ごとに定められた副長がおり、族長の命に従って副長が統治するということになっていた。すでに火山によって多くが分断され、それぞれが独立している緩やかな連合国家の状態であった。一方で、公益網により互いの情報は確保し続けている。そんな状態である。なお、彼らの歴史伝記によれば、昔の族長が神を裏切ったためにこのように怒りを示されたとされている。どのようなことかは、資料が散逸しているため、記すことができない。
何はともあれ、彼らは交易により栄え、それにより、キャッタ族長は、エルハンドラ王国と交易を行いたいと考えるようになっていた。その第一歩として、使者が送られた。キャッタ族の中で交易の中心人物と呼ばれている人物である。