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第8章第2節 戴冠式:第1款 発端
実際に、どのような意見が集まったか。それについては、ほぼ書かれている書物はない。だが、まずは減税から始まり、大陸全土を行き来するために必要な道路の敷設、さらには船を作るようにという命令も出した。少なくとも、大陸の隅々まで開拓をはじめようというその意思が感じられる。これらの命令については、帝立博物館第1収蔵庫に展示されているため、いつでも見ることができる。
さて、スワキサルザ、ジルサンデル、イカムルードは、3人より集まって話し合っていた。
イカムルードは、
「何かし忘れているようなことがあって仕方ない」
ジルサンデルは、
「し忘れ事項はあってはなるまい。何のことであろうか」
イカムルードは、
「万民の前で、王長であるということを宣言するべきではないのだろうか。いかなるものも、そのことを僭称しないように」
スワキサルザは、
「しかし、それをするためには何が必要であろうか」