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第8章第1節第5款 取捨選択
議会が解散されると、集めた意見をまとめた。なお、ここで解散という言葉を使ったのだが、現在使われているような選挙を行うための解散というのは、この時代には無い。単に、それぞれの住む土地へと帰るという、集会からの帰宅を意味しているとされている。
イワキサルザは、
「たくさんの意見が集まり、とても嬉しいのだが。問題は、これらに沿って事が運ぶことができるのだろうか」
イカムルードは、
「まずは、出来るところからはじめることが良いだろう。そうでなければ、民は付いて来ぬ」
ジルサンデルは、
「それがいいだろう。一歩一歩の積み重ねが、世界を築くのだ」
そして、イワキサルザは、そのようにした。つまり、その意見を取捨選択し、初めに行うものから後回しにするものまでを選んだ。