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第8章第1節第2款 人は宝
ふむ、とイカムルードは考えた。
イカムルードは、
「王長としてすべきこと、か」
スワキサルザは、
「そうだ。まだ大陸全土を治めるに至っていない。とはいうものの、これは、我が徳が悪いというわけではない。だが、我々はより広大な領地を治めるということになろう」
イカムルードは、
「それが神の御意志であるならば、ではあるが。それであっても、王長としては戦よりも大事にすべきことがあろう」
スワキサルザは、
「それはなんだ」
イカムルードは、
「民である。人は宝、国の宝であろう。それを忘れては困る」
スワキサルザは、ふむと言って考えた。