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第7章第6節第3款 玉と王
神は、
「ならば、村ではなく国と名乗れ」
イカムルードは、
「国とはどのような意味なのでしょうか」
神は、
「国の“く”とは区域、“に”とは新。新たに区域を創るという意味合いである。また、その自体である、囲いの中の玉とは、君主を意味する。だが、玉は全てをも意味しており、区いくのすべてという意味がある。ゆえに、国を名乗るが、君主は王と名乗るがよいだろう」
イカムルードは、
「点を欠いているため、玉ではない。しかし、そのほぼすべてを治めているので王と名乗れ。そのようなことでしょうか」
神は、
「その通りである。ゆえに、国と名乗る間は、王長と名乗るがよい。世界の全てを統べる時、それは玉長となるであろう」
神はそれを伝えると、イカムルードとの対話を一方的に切った。