第7章第5節 新村長
それからは、破竹の勢いで勝ち進んだ。
気がつけば、周囲の複数の部族の上に位置することになっていた。
この期間は、書物によってさまざまである。
ある書によれば、それは10年と10カ月続いたとある。別の話によれば、それは1か月の間であったとある。また、3年ほどで平定したという説もある。
ここでは、諸説ある中でもっとも登場回数が多い年数である4年間の説を取りたい。
4年後、村へと再び戻ってきた3人を出迎えたのは、村長の死であった。
そこに神が舞い降りられた。
神は、
「村長は、我が身もとで安らかにおる。案ずるな」
イカムルードは、
「あなたはどなたなのですか」
神は、
「我は神、全ての始まりをかたちどった者であり、全ての終わりを見届ける者である」
ここで、名前を明かす説と、明かさない説がある。
明かす場合は、スワミイズル神かイスルード神のどちらかであることが多い。
だが、ここでは明かさなかったとして話を進めたい。
イカムルードは、
「新たな村長は、どなたがよろしいのでしょうか」
神は、
「すでにそこにおる。我は、全てを見通している。それゆえに、我は、そこに必要な人物を配置した」
全員の目線が一人に注がれる。
それはスワキサルザであった。
スワキサルザは、
「もしも、私が村長になるというのであれば、私には、補助をしてくれる人が必要だ」
神は、
「そのための人物も、すでにお主の傍らに立っておる」
スワキサルザは、左右を見回す。
ジルサンデルとイカムルードがいる。
スワキサルザは、
「分かりました、ならば神の意思に従いましょう」
その場にいた人は、新村長万歳と声を挙げた。