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第7章第3節第16款 帰還
3人にそれぞれ宝具を渡し終えると、イツムロカキ神は、
「一人3つずつ。それぞれ宝具を持ち続け、適正に使い続けることができれば、安寧になるであろう」
一説によれば、さらに「敵を打ち倒し、全ての者たちの頂点に立つことができる」とイツムロカキ神は語ったとされる。
スワキサルザは、
「イツムロカキ神、ありがとうございます。これで、闘えるでしょう」
イツムロカキ神は、
「うむ、では最後に教えておこう」
この先は、それぞれも書物によって、異なった発言がなされている。
正伝に曰く、
「猫について行き、その道を進め。我らは常にともにある」
一説に曰く、
「烏を追いかけよ。そのものは、3つ足をしている。彼らはよき道案内人となるであろう」
また異説に曰く、
「河をくぐるべし。水は穢れを祓う。穢れは戦においては凶兆である」
そのいずれもが真実であるとされている。
ここでは正伝に従っていきたい。
ともあれ、これにて宝具を手に入れた3人は、意気揚々と家へと戻る。
今度は誰かが助けを求めるということはなかった。